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    芸能

    起死回生ねらう東宝に「ゴジラ会議」あり

    マーケティング戦略アドバイザー 永井孝尚
     大ヒットした映画「シン・ゴジラ」。1954年に公開した怪獣映画に始まる一連の「ゴジラ」シリーズだ。特撮やアニメなどでヒットを飛ばしている東宝が、虎の子として大切にしてきたゴジラだが、もはや飽きられたのではないかとの指摘もあった。なぜ、再びクローズアップされたのか。マーケティング戦略アドバイザー・永井孝尚氏がシン・ゴジラ成功の秘密を探る。

    今さらゴジラですか?

    • 今夏大ヒットした「シン・ゴジラ」(C)2016 TOHO CO.,LTD.
      今夏大ヒットした「シン・ゴジラ」(C)2016 TOHO CO.,LTD.

     今年7月のこと。スポーツクラブで運動を終えて一息ついていると、60歳代半ばと思われる先輩方が3人集まって話していた。

     「今度の週末、シン・ゴジラを見に行こうよ」

     (え、今さらゴジラですか?)

     そう思ったのだが、なぜか「シン・ゴジラ」という言葉が頭から離れない。自宅に戻りネットを検索してみた。

     ほとんど情報がない中、予告編の動画を見つけた。

     それは異様な予告編だった。ゴジラが現れるのはほんの一瞬。重厚な音楽が流れる中、官僚と閣僚が静かに会議を繰り返す様子、がれきに埋まった街、出撃する自衛隊が映し出される。

     (なんだ、この映画は?)

     その数日後、私はシン・ゴジラの上映館にいた。

    映画ビジネスは水モノ

     2016年夏、この「シン・ゴジラ」が大ヒットした。

     東宝によると、シン・ゴジラの興行収入は7月末から9月25日までに約73億円に上り絶好調。「ファインディング・ドリー」「ペット」などの海外勢を抑え、今夏公開映画のナンバー1となった。

     まるで魔法のようだ。しかし世の中に魔法はない。シン・ゴジラは製作会社である東宝の事業戦略、つまりマーケティング戦略を考え抜くことによって、当たるべくして当たったものなのだ。

     そもそも映画ビジネスは水モノである。

     映画がヒットするかどうかは、ふたを開けてみないとわからない。東宝にとって経営安定のためには、本業の映画をもとにして、継続して稼げるビジネスを育てる必要があった。

     そこで東宝が目を付けたのがキャラクタービジネスだ。

     映画で創業したウォルト・ディズニー・カンパニーは、映画の主人公・ミッキーマウスのキャラクタービジネスにより、ディズニーランドをはじめとして安定的で莫大(ばくだい)な収益を生み出している。

     そこで東宝も、「東宝グループ中期経営戦略」(2016~18年)で「コンテンツ権利ビジネス」、つまりキャラクタービジネスの育成を経営戦略の一つの柱とした。

    2016年10月04日 05時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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