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    経済

    進撃続けるドン・キホーテに死角はないのか

    調達・購買・資材コンサルタント 坂口孝則
     ディスカウントストア大手のドンキホーテホールディングスの業績が絶好調だ。2016年6月期の連結決算では過去最高となる249億円の純利益を計上。百貨店や大型スーパーなどが販売不振で撤退した建物に相次いで新規出店するなど、積極的な事業展開が目立つ。ドン・キホーテに死角はないのか。調達・購買・資材コンサルタントの坂口孝則氏が読み解く。

    行き場をなくした外国人が吸い込まれる店

    • 派手な外観が道行く人をひきつける(ドン・キホーテ六本木店)
      派手な外観が道行く人をひきつける(ドン・キホーテ六本木店)

     私がかつて自動車メーカーで働いていた時、苦慮したのが海外からの出張者をもてなす方法だった。観光地は、さほど喜んでくれない。こちらがよかろうと思ったことが意外に不評で、その逆もまた(しか)りだ。

     こちらが「料亭がいいだろう」と勝手に考えていると、狭い小料理屋の方が喜ばれた。なぜなら、小料理屋の大将が客の目の前で見事な手さばきを見せてくれる「エンターテインメント」など、彼らの国にはそうそうないからだ。

     タクシーに乗って表参道から移動しようと思ったら、あえてバスに乗って、渋谷のスクランブル交差点を見たいという。2階建てバスに乗り、スクランブル交差点直前の赤信号で止まると車中から感嘆が漏れる。赤信号に変わるタイミングを見計らって信号直前で止まるのは、バス運転手の職人技なのだという。

     夕食後、長旅で疲れただろうからと、早めにホテルに送ろうとすると、多くの場合、不満そうな顔をされる。彼らからすると、夜の8時や9時は寝る準備をする時間ではなく、「これから動く」時間なのだ。私たちは彼らと接する時、6時間ほど時計の針を戻すくらいがちょうどいい。

     それにしても残念なのが、その時間には百貨店も商店街もほとんど閉店してしまっていることだ。そこで、行き場をなくした外国人たちは風俗店か、あるいは――、必ずしも高雅とはいえない、もっといえば俗気にあふれた――あの店に吸い込まれていく。

     ドン・キホーテ。

     夜の街を歩く外国人たちからすると、ドン・キホーテは風俗店と等価なのである。

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    2016年10月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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