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    経済

    株価の足踏みはなぜ?…「膠着相場」のウラを読む

    読売新聞調査研究本部企画委員 丸山 康之
     株式市場の値動きが乏しい。政府は、安倍首相の経済政策「アベノミクス」として打ち出した金融政策、財政出動、成長戦略による「3本の矢」で、デフレからの脱却と日本経済の再生に取り組んでいる。だが、これまでアベノミクスの 牽引 ( けんいん ) 役だった大胆な金融緩和策をめぐっては、市場関係者の間から手詰まり感も指摘されている。長年にわたって日本経済と産業動向を取材した読売新聞調査研究本部の丸山康之企画委員が、株式相場の足踏みと日銀の金融政策を詳細に分析する。

    2か月以上の「連続膠着」

    • 日本銀行の黒田東彦総裁(読売新聞撮影)
      日本銀行の黒田東彦総裁(読売新聞撮影)

     東京株式市場の株価が夏以降、膠着(こうちゃく)状態に陥っている。日経平均株価(225種)を日々の終値で見ると、欧州連合(EU)離脱をめぐる英国の国民投票の結果が判明する前の水準を回復した7月14日から3か月あまりの間、1000円に満たない狭い範囲での動きが続いた。安値は8月3日の1万6083円、高値は9月6日の1万7081円だった。

     月ごとの変動幅を見てみよう。8月は高値と安値の差が836円(安値から見て5.2%)、9月は676円(同4.1%)だった。10月は、20日から9月の高値を超えてきたが、27日までの月内の変動幅が793円にとどまっている。日経平均が1万円台半ばから2万円程度という水準では、月間変動幅が1000円を超すことがほとんどで、1000円を下回る狭いレンジでの取引は昨年6月以来だ。しかも、2か月以上の「連続膠着」は、消費増税をきっかけに景気の停滞感が強まった2014年5~9月以来となる。

     売買も低調だ。東京証券取引所第1部に上場されている国内株式の売買金額をみると、今年8月は1日平均2兆3318億円、9月は2兆2988億円で、昨年の年間平均の8割程度にとどまり、2年ぶりの低水準を記録した。10月は26日までで2兆976億円とさらに低い。

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    2016年10月28日 10時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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