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    経済

    顧客争奪?セブンイレブン近くにセブンがある不思議

    マーケティング戦略アドバイザー 永井孝尚
     セブンーイレブン(以下セブン)の全店売り上げは2016年(通期)に4兆2910億円に上り、営業総収入、経常利益、当期純利益は過去5年間、継続的に増加を続けている。国内店舗数は1万9000を超え、こちらも増加中だ。駅周辺や交通量の多いロードサイドにセブンの看板を目にしないことはない。それどころか、わずか数メートル離れた立地にセブンが並んでいたり、向かい合ったりしている店舗もある。なぜ、セブンの近くにまた別のセブンがあるのだろうか? マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚氏に解説してもらった。

    セブン&セブン

    • (画像はイメージ)
      (画像はイメージ)

     ある日、友人の家に向かう途中に降りた都内のとある駅。

     改札を出て階段を下りるとすぐ、セブンがあった。そこから、2分ほど歩いた商店街の入り口にも、またセブン。商店街を抜けて国道に出たら、交差点を挟んで向かい合わせに、さらに2軒のセブンが現れた。

     駅からわずか10分足らずの間に、なんとセブンを4店舗も目にしたのだ。

     こんなふうに、セブンの近くに別のセブンの店舗があるのを見た人は多いはずだ。

     普通なら、同じ数の出店を考えた場合、同一の地域に集中させるよりも、広い範囲に出店する方が効率的に思える。

     セブンの店舗は、マーケティング用語では「チャネル」と呼ぶ。「お客さんと企業をつなぐもの」という意味だ。

     たとえば、ペットボトルのお茶を買いたいと思う客は、「スーパー」「コンビニ店」「自動販売機」などで買うことが多いだろう。まとめ買いをして家まで運んでもらおうという人なら、「アマゾン」や「楽天」などのネット通販を利用することもあるはずだ。

     つまりペットボトルのお茶は、「スーパー」「コンビニ店」「自動販売機」「アマゾン」「楽天」といったチャネルを持っていることになる。

     商品を売る側は、どのようなチャネルを用意すれば、お客さんを効率的にカバーできるかを考える。これが「チャネル戦略」だ。

     このチャネル戦略をきちんと考えないと、チャネル同士でお客さんを奪い合い、無用な争いをしてしまうことがある。これが「チャネル・コンフリクト(競合・衝突)」だ。

     狭い地域に集中して出店するセブンのやり方は、このチャネル・コンフリクトを起こしているように見え、非効率に思える。

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    2016年11月09日 12時10分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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