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    国際

    米大統領選、英国民投票…事前予想はなぜ外れたのか

    選挙プランナー 三浦博史
     今年6月の英国民投票では、欧州連合(EU)残留派が小差で勝つと見られていたが、結果は離脱派が勝利を収めた。11月の米大統領選では、ほとんどのメディアが民主党のヒラリー・クリントン氏の優位は動かないと予想していたが、共和党のドナルド・トランプ氏が激戦州を次々と制し、勝利を決めた。メディアや世論調査会社による事前の世論調査は、なぜ有権者の投票行動をつかみ切れなかったのか。その理由を選挙プランナーの三浦博史さんに解き明かしてもらった。

    隠れトランプ派、反映されず

    • 米大統領選で投票する有権者(11月8日、ニューヨークで)
      米大統領選で投票する有権者(11月8日、ニューヨークで)

     米大統領選挙で世論調査が外れた最大の原因は、米国の様々なメディアが「トランプは悪」というイメージを有権者に徹底的に植え付け、「クリントン勝利」を期待する方向に世論を誘導しようとしたことで、「隠れトランプ派」の声が調査に反映されにくくなったことだ。

     これは、クリントン陣営が巨額の資金を投入し、執拗(しつよう)に行ったトランプ氏に対するネガティブ・キャンペーンのテレビCMも大いに影響している。

     トランプ氏のヒスパニックやイスラム教徒、性的少数者の「LGBT」といった人たちを見下し、排斥しようとするかのような言動は、メディアとして見逃すことはできず、ニュースで報じる価値は高い。

     しかし、クリントン陣営と一緒になってメディアがトランプ氏をたたき続けたことで、メディアの「期待」に反する結果が生まれることになった。

     米国における世論調査は、隠れ支持者の声が比較的反映されにくいとされる対面方式ではない。電話調査だったにもかかわらず、今回は「トランプ氏を支持する」と答えることがはばかられる雰囲気が漂っていた。

     米国メディアの大半は、そもそも「クリントン寄り」だった上に、メディアとしての立場上、トランプ氏の暴言には否定的な報道を続けていた。トランプ氏の支持者にしてみれば、初めから「クリントンありき」の世論調査には回答しにくい、あるいは回答を拒んだ人も少なからずいたと考えている。

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    2016年11月22日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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