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    国際

    砂糖税導入は子どもの肥満防止に役立つのか?

    在英ジャーナリスト 小林恭子
     2018年4月から、英国では清涼飲料水に「砂糖税」が課されることになった。清涼飲料水をたくさん飲む子どもたちの肥満を防ぐことが狙いだ。先進国の中でも英国民の肥満度は高く、子どもたちはその3分の1近くが体重過剰あるいは肥満状態となっている。果たして砂糖税は効果を発揮するだろうか。在英ジャーナリストの小林恭子氏に解説してもらった。

    清涼飲料水1缶で小さじ9杯分の砂糖

    • (画像はイメージです)
      (画像はイメージです)

     経済協力開発機構(OECD)の2013年の調査によると、加盟国34か国(当時。現在はラトビアが加わって35か国)の子どもの肥満度ランキングで、英国は第9位に入る。2歳から19歳までの子どもたちの比較で、男女平均で約28%が体重過剰(OECD基準ではBMI25以上30未満。BMIは体重を身長の2乗で割った値)あるいは肥満(同基準でBMI30以上)であることが分かった。ちなみに1位は南米チリ(男女平均34・3%)、日本は最下位の34位(同13・9%)だ。

     例えばコーラなど、英国の清涼飲料水1缶の標準サイズ(330ミリ・リットル)には小さじ約7~9杯分の砂糖が入っているとされ、これだけで成人が健康的な生活を送るための砂糖の1日最大摂取量30グラムを超えてしまう。子どもの場合は4-6歳で19グラム、7-10歳で24グラムだ。

     英国政府が添加砂糖(added sugar)をどんな食べ物から摂取しているかを調べたところ、清涼飲料水の割合が全世代平均で27・6%だった。このうち、その割合が最多となったのは11歳から18歳の子供たちだ(40%)。

     肥満状態の子どもたちの多くが成人後も肥満になると予測されている。肥満は糖尿病、心臓発作、ガンなどの生活習慣病を発病するリスクを高めると言われており、本人や家族が苦しむばかりではなく、税金によって成り立つ医療制度「国民健康保険サービス(National Health Service=NHS)」にとっても大きな負担だ。政府試算では肥満に関連した疾患の処理にNHSは年間61億ポンド(約8600億円)を費やしている。  

     

     

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    2016年11月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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