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    経済

    耐久戦?カラオケボックス業界 変わる勢力図

    カラオケ評論家 唯野奈津実

    アミューズメント企業との提携などで巻き返し

     つまり、昨今のカラオケ利用者層の主流が、「少人数グループのコアなユーザー」であるのに対し、シダックスは「多人数グループのライトなユーザー」層を想定しています。その結果、「フードメニューの充実」「カルチャーコミュニティーの展開」といった同社のビジネスモデルが時流に合致しづらくなり、そのことが、同社が店舗数の大幅なスリムアップを余儀なくされた一因であると考えられるのです。

     シダックスは今後、既存のカラオケ店舗への設備投資を進めつつ、更なる事業強化を推進して、業績のV字回復を目指すとし、インバウンド(訪日外国人)のランチ需要の取り込みや、他業種のアミューズメント企業との提携といった戦略を掲げています。こうした新たな戦略が功を奏するのか。シダックスの今後の巻き返しに注目です。

    カラオケチェーンビッグ3のそれぞれの「強み」

     一方、店舗数が堅調に増加している大手カラオケチェーンの強みはどこにあるのでしょう。

     店舗数第1位の「ビッグエコー」は、カラオケ機器の最大シェアを誇る「DAMシリーズ」を展開する第一興商(本社・東京都品川区)が運営しており、そのこと自体が最大の強みです。テレビ番組で頻繁に使われる採点機能「精密採点DX-G」など、人気の高いコンテンツを多く持つ「DAMシリーズ」の専用カラオケ店として、機種にこだわりを持つコアなユーザー層に大きく支持されています。店舗立地においても、特に首都圏では駅前の一等地など、競合チェーン店と比べて「より駅近」での展開が多く見られ、ロケーション面でも優位を保っています。

    • まねきねこは「飲食物の持ち込みOK」など“お得感”のあるサービスで攻勢をかける
      まねきねこは「飲食物の持ち込みOK」など“お得感”のあるサービスで攻勢をかける

     店舗数第2位の「まねきねこ」は、「飲食物の持ち込みOK」「高校生グループのルーム料金無料」などのサービスによって、ユーザーに“お得感”を印象づけることに成功しています。運営元のコシダカ(本社・東京都港区)は、日本初の一人カラオケ専門店「ワンカラ」の展開や、「参加型カラオケ」としてアイドル人気投票企画などの独自コンテンツを持つカラオケ機種「すきっと」の開発など、業界内でもチャレンジングな試みを打ち出すことで知られており、店舗展開においても今後も攻勢を維持すると見込まれます。

     シン・コーポレーション(本社・東京都新宿区)が運営する店舗数第3位の「カラオケBanBan」は、居抜き物件を利用した出店では業界隋一のノウハウを持っています(居抜き物件とは、前テナントが利用していた設備や器具などが付いたままの物件のこと)。今夏閉店したシダックスについても、その大半の約40店舗をBanBanとして居抜き開店しています。居抜きによって開店費用を抑えられることから、大手チェーンの中でも比較的割安なルーム料金を設定しており、カラオケをよりリーズナブルに利用したい若いユーザーから支持を集めています。

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    2016年12月21日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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