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    日本外交この1年…宮家邦彦氏に聞く

     中国の海洋進出、北朝鮮の度重なる挑発など、日本を取り巻く情勢に不透明感が増す中で、安倍政権は積極的な外交を展開した。この1年、日本が直面する外交課題に安倍政権がどう取り組み、どんな成果を上げたのか。元外交官でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏に聞いた。

    日露関係、試合は終わっていない

    • インタビューに答える宮家邦彦氏
      インタビューに答える宮家邦彦氏

    ――まず、直近の話題ということで、日露首脳会談の評価をうかがいたいと思います。

     「期待値が事前に上がり過ぎた分、がっかり感が大きい人はいたと思います。しかし、冷静な人にとっては、そんなに大きなサプライズではなかったのではないでしょうか。

     ロシアが直面するのは北方領土問題だけではありません。アメリカ、中国との3すくみの競争、私はこれをメジャーリーグと呼んでいますが、ロシアにとってはメジャーリーグでの競争が大きな問題で、北方領土は比較的小さな問題なのです。

     ロシアは戦後、欧州方面で必要以上に譲歩し過ぎた。その失地回復というのがプーチン大統領の基本的な考え方でしょう。その関連で、中東の問題が出ています。中東においてアメリカに思うようにさせないことが、クリミア問題で(ロシアに課せられた)経済制裁の解除につながると考えているわけですね。ですから、トランプ次期米大統領がシリアでIS(イスラム国)をやっつけるために、ロシアと組もうとしているのは、まさにロシアの思う(つぼ)です。

    • 首脳会談の冒頭で握手をするロシアのプーチン大統領(左)と安倍首相(12月15日、山口県長門市で)
      首脳会談の冒頭で握手をするロシアのプーチン大統領(左)と安倍首相(12月15日、山口県長門市で)

     それからロシアにとって、第二の大きな問題は極東ロシアの脆弱(ぜいじゃく)性だと思います。中国の人口圧力がいずれ極東ロシアに及ぶ。そのことをある程度、理解しているわけですね。だから、極東地域の戦略的なバランスは変えたくないということですよ。その一環として、日露があると考えています。ロシアがすぐに今の状況を変えるような戦略環境にはない。とはいえ、中長期的にはそのような可能性は十分考えていて、いずれロシアが戦略判断を下す可能性はもちろんある。

     今回の日露首脳会談で具体的な結果が出なかったことに不満が残るかもしれませんが、これで試合は終わりではなくて、ラウンドはまだまだ続くわけです。今、第何ラウンドか知らないけれど、15ラウンドまで行くかもしれません」

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    2016年12月22日 21時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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