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    生活

    孤立しがちな男性介護者…悲劇を生まないためには

    立命館大学教授、「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」事務局長 津止正敏
     周りに助けを求めようとせず、一人で家族の介護を背負う男性は少なくない。だが、孤立したままの介護の行き着く先には、虐待や心中、殺人といった不幸な事件が待っていることがある。男性介護者を孤立から救うには、どうすればよいのか。「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」事務局長で、立命館大学の津止正敏教授(社会福祉学)が、その現状と課題を解説する。

    後を絶たない「介護事件」

    • (写真は、イメージです)
      (写真は、イメージです)

     在宅の家族介護に関わる虐待や心中、殺人という不幸な事件が後を絶たない。昨年12月5日付読売新聞記事の集計によると、高齢者介護を巡る家族間の殺人や心中などの事件が2013年以降、全国で少なくとも179件発生し、189人が死亡したという。そして、加害者の70%が男性で、家事に慣れない男性の方が思い詰めやすい傾向があると分析していた。

     「介護事件」の多さには、介護する人の負担の重さは言うまでもないが、「孤立」も深く関わっていると言われている。

     在宅で家族介護に従事する男性の中には、誰にも相談できずに一人で悩みを抱え、家計の逼迫(ひっぱく)や、仕事との両立などの問題に押しつぶされてしまう人もいる。周囲の人たちの気遣いや社会的支援を受けられず、前途に絶望し、思い余って不幸な事件の引き金を引くという構図があるのだ。

     たしかに、家族介護は大変だ。しかし、だからといって介護が必ず孤立と結びつくというのは正しくない。孤立に向かう不安はあっても、逆に介護が縁で新しいコミュニティーが作られることは、いくつもの豊かな実践が示している。

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    2017年01月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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