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    国際

    中国人はつらいよ…10大キーワードに透ける世相

    北海道大学公共政策大学院専任講師 西本紫乃
     「北京 ( ) 抜け」「詩と遠方」「匠の精神」「タネを食べる群衆」……。これだけ見ても日本の読者には何のことかわからないだろう。中国の有力紙「南方週末」系の雑誌『新週刊』(12月15日号)が2016年の「10大キーワード」を特集した。その中にランクインした言葉である。南シナ海問題など対外強硬姿勢が目立った中国だが、人々の閉塞感は相当なものらしい。北海道大学公共政策大学院専任講師の西本紫乃さんに、中国の世相を読み解いてもらった。

    『新週刊』が選んだ今年の10大キーワード
    (一)杭州G20サミット
    (二)L型経済
    (三)ネット中継
    (四)サーキットブレーカー
    (五)VR
    (六)北京腑抜け
    (七)振り込め詐欺
    (八)詩と遠方
    (九)匠(たくみ)の精神
    (十)タネを食べる群衆

    杭州G20サミット…「国家の威信」の陰で

    • 中国・杭州で開かれたG20サミット(2016年9月4日撮影)
      中国・杭州で開かれたG20サミット(2016年9月4日撮影)

     10大キーワードの一番目に紹介されているのが、9月に浙江省杭州で開かれた主要20か国・地域(G20)サミットだ。今年、日本は主要7か国(G7)サミットの議長国だったが、「世界をリードするのはG7ではなくG20サミットの方だ」というイメージを広めたい中国は、地元開催ということもあって、国家の威信をかけて臨んだ。

     杭州G20サミットで、中国は自らを「先進国と途上国の橋渡し役」で「世界の経済成長の推進者」と位置づけた。サミットの成果について中国は、近年主催した国際会議としては最高レベルで、「世界経済政策のトップレベル・デザイン」を主導した、と自画自賛している。しかし、国家の体面を保つために、サミット開催期間中は会場周辺の住民を市外に追い出すという措置をとった。当局の過剰な対応は、国内外から失笑を買っている。

     今年の『新週刊』の10大キーワードは、33人の有識者からなる選考委員によって選ばれたものだが、トップに「杭州G20サミット」を持ってきたところに、政治的な配慮が感じられる。

    • 中国の習近平国家主席(AP)
      中国の習近平国家主席(AP)

     習近平政権がスタートしてから4年目の今年は、強すぎる習主席の力が、当局の警備体制から雑誌の編集方針にいたるまで、中国社会の様々な場面でモノを言った。そうしたマイナスの影響が顕在化した年だった。


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    2016年12月28日 12時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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