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    生活

    「カフェ」併設も…コインランドリー急増のワケ

    メディア局編集部 田中昌義

    年10%以上のペースで増加

     厚生労働省の調査によると、全国のコインランドリーの店舗数は、1996年度に約1万店だったが、2013年度には約1万7000店に達している。「さらに、ここ1、2年は、年10%以上のペースで増加しており、現在は2万店を超えているのではないか」。そう推測するのは、「エコラックス・ジャパン」でコインランドリー事業を統括する浅井伸宏さん(エレクトロラックスプロフェッショナル日本・韓国地域代表)。同社はこれまで4500を超えるコインランドリー店の機器納入や営業支援などを手掛けてきた。

    • 「エコラックス・ランドリー葛西店」は青と白を基調にして清潔感をアピール
      「エコラックス・ランドリー葛西店」は青と白を基調にして清潔感をアピール

     コインランドリーが増え続けているのには、いくつかの理由が考えられる。 その一つは「女性の社会進出」だ。仕事や子育てなどで忙しい女性が増えている。家事を効率的にこなしたい彼女たちにとって、たまった洗濯物を大型洗濯機でまとめ洗いでき、乾燥を含めて1時間程度で終わらせることができるコインランドリーは、時間の節約にもってこいというわけだ。最近のコインランドリーのほぼすべてが女性客を意識した作りになっているのは、そうした事情による。

     二つ目は、衣類や寝具などの変化。かつてはフォーマルなスーツや羽毛布団、カーペットなどは、クリーニング業者に依頼して洗ってもらうのが一般的だった。しかし近年は「丸洗いOK」の製品が普及してきている。布団やカーペットなど大きなものは、自宅で洗濯するのは難しいが、コインランドリーで洗濯、乾燥すれば、料金はクリーニング代の半額程度で済む。

    「洗濯物を外に干せない家庭」増加

    • 花粉やPM2.5を避けて外干しをしない家庭も(写真はイメージ)
      花粉やPM2.5を避けて外干しをしない家庭も(写真はイメージ)

     三つ目は、「洗濯物を外に干せない家庭」が多くなったことだ。都市部などでは、ベランダに洗濯物を干すことを禁じている高層マンションが増えている。また、花粉やPM2.5といったアレルギー物質、大気汚染物質に対する意識が高まり、家族の健康を考えて、あえて外干しをしない人も少なくない。ただ、部屋干しをすると生乾きになってしまうこともあるため、それを嫌ってコインランドリーの乾燥機を利用するケースが増えているのだ。「布団や毛布などは70度以上の熱で乾燥させれば、2分以内にすべてのダニが死滅する」(エコラックス・ランドリー葛西店オーナーの伊藤典良さん)といい、清潔志向の強い主婦などに好まれている。

     コインランドリー増加の理由は、店を開く側にもある。コインランドリーのビジネスは、景気に左右されにくく、比較的安定した現金収入が得られるとされる。そうした点に注目が集まり、ここ1、2年、サイドビジネスとして開業する個人事業者や、チェーン展開を図る企業が急増しているのだ。

     「それでも、(2万店超と見られるコインランドリーは)全国のクリーニング店の数(約10万2000店)やコンビニエンスストアの数(約5万5000店)と比べれば大きな差がある。まだまだ拡大のチャンスは充分にある」と、エレクトロラックスの浅井さんは見ている。一方、「近所に競合店ができて、客を奪い合っているところも出てきている」(都内のコインランドリー経営者)との声もある。今後は、地域によっては競争が激しくなって淘汰(とうた)される店が出てくる可能性もありそうだ。

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    2017年01月04日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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