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東京五輪へ…体操・内村航平「プロ化元年」の決意
読売新聞運動部 増田剛士
リオデジャネイロ五輪の体操男子団体、個人総合で2冠に輝いた内村航平が、自らを取り巻く環境を大きく変えた。日体大卒業後から5年半余り所属したコナミスポーツクラブを昨年11月に退社。プロ化に踏み切った。プロの体操選手として大会に臨む2017年は「プロ化元年」の年になる。所属チームからの卒業には、どんな理由があったのか。単独インタビューに応じた内村の発言を中心に、その背景を探る。
五輪で金メダルを取ってナンボ
「きっかけはロンドン五輪(12年)が終わった後。個人総合で金メダルを取ったことで、周りの人もおめでとうと言ってくれるし、小さい子供たちも僕の事を知ってくれた。でも、体操のことが本当の意味で知ってもらえたという実感までは湧かなかった」
体操を広めるために必要だ、と思って勝ち取った金メダルの影響力は意外にも小さかった。そこで、より注目度を高められるプロ活動への意識が芽生えたという。プロなら自由に行動できる。ただし、この時は行動には移さなかった。
「まだ何から手を付けていいかわからなかったし、今じゃないと踏みとどまった」
英グラスゴーで行われた15年世界選手権で、内村を含む日本男子は37年ぶりに団体世界一を奪還した。この時もそれなりの盛り上がりを感じたが、自らが憧れてきた04年アテネ五輪の団体金メダルのインパクトに比べ、影響力の弱さを感じたという。
「五輪で(金メダルを)取ってナンボなんだろうなと。リオで団体金メダルが取れたらプロ活動をしようという気持ちになった。リオでは個人総合でも金メダルが取れて、結果がすごく良かったので、今しかないと思った。リオでそこまで良くなかったら踏みとどまっていたと思う。結果あってこその行動だった」
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2017年01月20日 05時20分
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