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    国際

    春節に異変 中国富裕層がこの時期の日本は敬遠?

    ジャーナリスト 中島恵

    「私は違う」と知ってほしい

     杭州で暮らす30代半ばの建築家も、春節の海外旅行を取りやめたひとりだ。独身で、フリーランスで働いているため、年3回も日本旅行をするほど優雅な生活を送っていた。それなのに、すっかり嫌気がさしたという。

     昨年10月、国慶節の連休に大阪を旅行中、ドラッグストアで大騒ぎしていた中国人観光客の一団に遭遇したことが転機になった。

    • 天橋立のような静かな場所を訪れてきた中国人富裕層の一人は、団体客と同一視されることに抵抗があるという(2014年7月、京都府宮津市で)
      天橋立のような静かな場所を訪れてきた中国人富裕層の一人は、団体客と同一視されることに抵抗があるという(2014年7月、京都府宮津市で)

     「団体だと気が大きくなるのも理解できるのですが、恥ずかしさに耐え切れず、店を飛び出してしまいました。これまでは有馬温泉とか天橋立とか、静かで中国人客が少ないところに出かけていたので気がつきませんでしたが、あれでは、変なとばっちりを受けないとも限りません」

     なるほど、そうだったのかと私は(うな)ってしまった。

     2016年の中国人訪日観光客は637万人で過去最多となり、「爆買い」と騒がれた15年よりも27%も増加した。中国人観光客は増え続けている。

     そんな中国人の姿を、日本人は「ひとくくり」にしがちだ。アメリカ同様に多民族国家であり、社会階層が幾重にも分かれ、分断されている中国人の生活や考え方は、日本人には理解しにくい。

     だが、中国人の中でも、私の友人夫婦や杭州の建築家のような富裕層は画一的に見られ、扱われることに不満を抱いている。

     春節や国慶節は、日本の小売業にとっては稼ぎ時だ。いわゆる「爆買い」は鳴りをひそめたものの、春節ともなれば中国人観光客はそこかしこに出没する。富裕層が感じている不満を解消すれば、それは新たなビジネスチャンスになるだろう。

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    2017年01月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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