文字サイズ
    スポーツ

    羽生結弦の発言にみるフィギュア4回転新時代

    読売新聞編集委員 三宅宏
     1月22日に行われたフィギュアスケート・全米選手権の男子フリーで、ネイサン・チェンが史上初めて5度の4回転ジャンプを成功させた。男子フィギュアは複数の4回転ジャンプが乱舞する新しい時代に入ったといえる。昨年末のグランプリ(GP)ファイナルで4連覇を達成した羽生結弦は今季、チェンがまだ跳ばない4回転ループに成功、トウループ、サルコーと合わせて三つの4回転を持っている。「ジャンパーとしての羽生結弦」の今季の言葉から、4回転新時代を考察する。

    故障明けに4回転ループ成功

    • 男子SPの今季世界最高得点でGPファイナルの首位に立った羽生。フリーは3位だったが逃げ切り、大会4連覇を達成した(2016年12月8日、若杉和希撮影)
      男子SPの今季世界最高得点でGPファイナルの首位に立った羽生。フリーは3位だったが逃げ切り、大会4連覇を達成した(2016年12月8日、若杉和希撮影)

     「自分にとって(4回転)ループは演技の一部だから、(オーサーコーチに)それをしっかりやりたいって話をした。コーチからは『トータルパッケージをすごく大事にしなさい』と言われた。僕は『ジャンプがきれいに決まらないとトータルパッケージじゃない』と伝え、彼も賛成してくれた。スケートカナダまではジャンプに集中して、スケーティングをおろそかにしたわけではないが、ジャンプのためのスケーティングをしていた。NHK杯に向けてはスケーティングとジャンプを一体化させてトータルパッケージを作っていこうと、そういう練習をしていた」(2016年11月26日、NHK杯男子フリー終了後)

     フィギュアスケートのコーチが「流れ(トータル)で考えよう」という場合、通常、ジャンプで無理をさせない(冒険させない)ことを意味する。それに対する羽生の反論がすごい。「ジャンプのためのスケーティング」とは4回転ループだけを指すのではないかもしれないが、新技に対する彼の並々ならぬ決意が伝わってくる。

     羽生は昨シーズンに左足を痛め、16年3月末の世界戦終了後に約2か月、氷から離れた。いくらオフとはいえ、これほどのブランクは羽生にとって初めてのことだった。幸いというか、ループは右足で踏み切って右足で着地するジャンプ。左足に一番負担がなく、ルッツとともに「早く練習することができた」という。

     新技の4回転ループを今季のプログラムに組み込むことに関しては、羽生は16年9月13日の公開練習時に「自分自身がこういう技術を持っているから、その上で、自分の最大限のパフォーマンスができるのはこういう構成と思って作った」と話している。「故障明けのシーズンという気持ちは全くなかった」そうで、五輪チャンピオンであることに飽きたらず、あくまでも進化を目指すのが羽生流なのだ。

     羽生は今季初戦に選んだオータム・クラシック(カナダ・16年9月30日)で4回転ループを着氷、「国際スケート連合(ISU)の公認大会で初成功」と認定された。

    【あわせて読みたい】
    アクセルはどうなる…コーチが語る浅田真央のいま
    高橋大輔の挑戦(上) 「僕が一番」気持ちは変わらない
    お金はかかる…でも、超トップなら億単位の収入も
    採点の仕組み、出来栄え点やボーナス点とは?

    2017年01月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP

    目力アップ♪

    疲れをほぐして、イキイキと!