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    債券から株への「大転換」?トランプ相場の虚実

    玉川大学経営学部教授 島義夫
     法人税の大幅減税や大規模なインフラ投資などを公約に掲げたトランプ政権の始動に伴い、世界の金融市場では「グレートローテーション(Great Rotation)」なる言葉がささやかれている。折しも米ニューヨーク株式市場は、代表的な株価指数であるダウ平均株価を史上初めて2万ドルの大台に乗せ、日本の株式市場も上昇トレンドを示している。一般的には、あまりなじみのない言葉だが、グレートローテーションが進行すれば、世界経済と日本経済に多大な変化をもたらし、個人投資家の動向にも影響する。その意味を玉川大学経営学部の島義夫教授(ファイナンス論)が解説する。

    投資資金が高リスクの株式へ

    • 法人税の大幅減税や大規模なインフラ投資などの経済対策を公約に掲げるトランプ米大統領
      法人税の大幅減税や大規模なインフラ投資などの経済対策を公約に掲げるトランプ米大統領

     金融市場に「グレートローテーション」という言葉が戻ってきた。この言葉は「大転換」と訳されている。簡単に言えば、「安全資産とされる債券が売られ、投資資金がリスクの高い株式に向かう動き」を指している。つまり、金融市場の資金の動きが「大転換」するということだ。これは、低成長・超低金利を前提に、株式などのリスク資産への投資を抑え、債券への投資比率を高める「ニューノーマル」の対立概念だと捉えられている。

     米国、そして世界は2008年から09年にかけて、リーマン・ショックというバブル崩壊によって、経済の低迷とデフレ圧力に苦しんだ。株価が大幅に下落し、世界の投資資金は安定投資先である債券市場に流れた。

     しかし、米当局の金融緩和の効果もあり、それから数年もすると、米国では株価や不動産価格などが上昇し、経済に回復の兆しが現れる。そのため13年には、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、量的金融緩和の縮小を示唆するに至る。それまで債券に集中していた投資資金がいよいよ株式に大きく移動すると予測されたことから、この時、金融市場でグレートローテーションという言葉が流行したのだ。

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    2017年02月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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