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    経済

    日本最大の野菜農家!?イオンが農業に精出すワケ

    店舗経営コンサルタント 佐藤昌司

    循環型の生産・供給体制構築へ

     イオン農場では、イオングループの店舗で発生する売れ残りや食べ残しなど「食品残さ」のリサイクルにも取り組んでいる。食品残さの再資源化事業を手掛ける大栄環境(本社・大阪府和泉市)と共同で、食品残さを堆肥にし、その堆肥で農作物を生産する事業をスタート。16年6月から、関西地区のイオングループの店舗に向け、食品残さを肥料としたキャベツや大根、ミニトマトなどの本格出荷を始めた。

     農業への参入、新業態の食品店導入、食品リサイクルの推進は、いずれもイオンにとって新しい試みで、現状では有機的に結び付いているとは言えない。どれも規模が小さく、別々に動いている印象だ。

     しかし、あくまで筆者の私見だが、イオンは将来的に、食品供給の大部分をグループ内で完結させることを目指しているのではないだろうか。店舗から出る食品残さから堆肥を作り、その堆肥を使って農作物を生産し、それをビオセボンやピカール、その他の系列スーパーに供給する。そしてまた店舗から出た食品残さを堆肥化する。そんな循環型の生産・供給体制を構築する構想だ。

     さらに、農作物以外の精肉や鮮魚なども自前で供給できる体制を作り上げる。日本最大の小売企業・イオンであれば、不可能だとは言い切れまい。もし、この構想が実現できれば、流通の効率性や、「食の安全」に敏感な消費者への訴求力が高まり、イオンの食品事業は強い競争力を得ることができるだろう。

     今は赤字で苦しんでおり、改革は待ったなしの状況だ。しかし、食品改革については長期的な視点で見る必要がある。イオンが今後どのような戦略を見せるのか、注目していきたい。

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    プロフィル
    佐藤 昌司( さとう・まさし
     株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長、店舗経営コンサルタント、講演家、1級販売士。1977年生まれ。立教大学卒。大手アパレル会社で12年間勤務した経験と経営コンサルティング業での経験から、店舗経営における集客、売り上げの拡大、マーケティング政策の立案、人材育成、店舗オペレーションの改善等を得意としている。企業・団体での講演、東京商工会議所主催のセミナー講師、企業・団体での研修講師を務めるなど講師業で多数登壇している。

    2017年02月28日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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