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    生活

    完全個室、マッサージ…最近は寝られる「夜行の旅」

    NPO産業観光学習館専務理事、高崎経済大学特命教授 佐滝剛弘
     東京、大阪などを深夜に出発し、翌日早朝には目的地に――。「夜の旅」のメリットは、車中泊などで宿泊コストを抑えつつ、旅先での時間をゆったりと過ごすことができる点と言われる。窮屈さや振動で「寝られない」と言われた座席などの設備も、最近は大幅に改善され、元気に朝を迎えられるそうだ。一方で、1年前のツアーバス事故などを教訓とした安全対策への取り組みも気になるところだ。世界遺産めぐりから各地の高速道路事情まで、旅に関するさまざまな著書がある佐滝剛弘さんに、最新の「夜行の旅」事情を紹介してもらった。

    ついに登場!「完全個室」バス

    • JR東京駅前の高速バス乗り場
      JR東京駅前の高速バス乗り場
    • これがバスの中? 個室状に仕切られたドリームスリーパー号の車内(関東バス提供)
      これがバスの中? 個室状に仕切られたドリームスリーパー号の車内(関東バス提供)
    • 身体を伸ばして座れるドリームスリーパー号の座席(関東バス提供)
      身体を伸ばして座れるドリームスリーパー号の座席(関東バス提供)

     21時半、東京駅にたどり着いたあなたが、目的地の大阪へ旅立とうとして東海道新幹線の発車案内を確認しても、もう最終の列車は出発してしまっている。「そうだ、飛行機があるはず」と思い付いても、羽田からの関西方面行きはまさに21時半発が最終便。これから羽田に向かっても、もう間に合わない。

     かつてなら、正確には9年前までは、こんな時でも鉄道の選択肢があった。東京駅23時発、大阪行きの寝台急行「銀河」だ。大阪到着は翌日の午前7時過ぎ。翌朝、始発の新幹線で東京を出るよりもはるかに早く到着できた(※発着の時間は廃止時のもの)。

     しかし、今日では、どうしても翌朝までに東京から大阪方面に移動したければ、夜行高速バスを頼ることになる。22時前後から、東京駅、あるいは新宿駅など都内の主要ターミナル付近を次々と出発し、関西方面へと夜通し走る高速バスが、かつての夜行列車の役割に取って代わっているのだ。 

     夜行バスと言えば、かつては車体から伝わる振動と、浅い角度の座席のせいで「ほとんど寝られない」とも評された。だが、そんなイメージはここ10年ほどで大きく変わっている。

     今年1月、さらにそうしたイメージを払拭する画期的な高速夜行バスが、東京―大阪間に誕生した。車内を全11室に区切り、完全個室で東京・池袋駅と大阪・門真市を難波経由で結ぶ「ドリームスリーパー東京大阪号」だ。運行するのは、関東バスと両備バス。池袋駅の出発が22時50分、難波到着が翌日6時40分なので、東京駅で新幹線の最終をぎりぎりで逃した後でも、空席さえあれば十分間に合う計算だ。

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    2017年03月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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