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    科学

    「ソメイヨシノ」はどこからやって来たのか

    読売新聞調査研究本部主任研究員 佐藤良明
     桜の開花が待ち遠しい季節になった。桜の中でも公園などで私たちが花見を楽しんでいるのは、ほとんどがソメイヨシノで、北海道から九州まで全国で一番広く分布している。そのソメイヨシノの生い立ちが、植物学者の研究によってだんだんとわかってきた。「ソメイヨシノの起源」は、実は100年以上前から科学者が関心を寄せていたテーマで、おとなり韓国の桜にも関係があるという。日本の春を象徴するあの淡い色あいの花はどのように生まれたのか。読売新聞調査研究本部で科学を担当する佐藤良明主任研究員が、ソメイヨシノの誕生を探る旅にご案内する。

    300種類以上もある桜

    • 日本の春を象徴する花、ソメイヨシノ(森林総合研究所提供)
      日本の春を象徴する花、ソメイヨシノ(森林総合研究所提供)

     桜ほど日本人にとって思い入れの深い花はないだろう。花見はもちろんのこと、入学式の校庭に咲く桜を思い出す方も多いに違いない。桜にちなんだヒット曲がいくつも挙げられる。

     多くの文学作品に登場し、様々なデザインに採用されている。人の名前にもなる。映画「男はつらいよ」の主人公・寅さんの妹「さくら」はあまりにも有名だ。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」でも、ヒロイン坂東すみれの娘に「さくら」の名前がついている。国民的な人気がある特別な花なのだ。日本の国花は、法律で定めたり、学会が決めたりという公式なものはないが、広辞苑などによれば、桜と菊が事実上の国花とされている。

     そもそも桜には人の手が加わっていない野生種と、人の手で増殖する栽培品種がある。そして野生種にも、種間雑種といって人の手は経ないものの自然の中で違う種が交配して誕生するものがあるのでややこしい。ヤマザクラやシダレザクラ、カスミザクラなど、皆さんは桜の名前をいくつ挙げられるだろうか? 野生種・栽培品種を合わせると300種類以上といわれている。

     その中で特に私たちになじみ深いのがソメイヨシノだ。全国の公園や街路、堤防に植えられている桜のほとんどを占める。ヤマザクラやシダレザクラなどが大半を占める京都市(京都御所周辺)のように例外エリアはあるものの、私たちが桜と言った時には、ふつうはソメイヨシノをイメージする。

    2017年03月19日 10時53分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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