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    働く

    もう頑張れない…「こころの定年」に効く処方箋

    楠木ライフ&キャリア研究所代表 楠木新
     職場のヤル気のないおじさん。「あんなふうにはなりたくない」と思っていたのに、中年になって、自分も少し様子が怪しい。そう感じたら、あなたは「こころの定年」に突入したのかもしれない。「俺はもう頑張れない」「今の会社を辞めたい」――そんな気持ちのままでは、周囲も迷惑だし、何より、あなた自身の損失だ。優秀な人も直面する「こころの定年」を乗り越える方法を、中高年のキャリア事情に詳しい楠木新さんにアドバイスしてもらった。

    多くの人に訪れる「こころの定年」

    • このままでいいのかと悩み始めたら、「こころの定年」かも(画像はイメージ)
      このままでいいのかと悩み始めたら、「こころの定年」かも(画像はイメージ)

     私は、ここ10年あまり、ビジネスパーソンに対する取材を数多く繰り返してきた。その際に、会社組織に適応している人も含め、40歳を超える頃から揺れ始める人が多いことに気がついた。

     漠然と「このままでいいのだろうか」と考え始める人もいれば、メンタル面の不調や仕事に対する意欲減退に悩まされる人、会社での立場に限界を感じる人など、そのありようは様々である。

     彼ら彼女たちの発言を最大公約数としてまとめてみると、

     「成長している実感が得られない」
     「誰の役に立っているのか分からない」
     「このまま時間が流れてしまっていいのだろうか」の三つに集約できた。

     組織で働く意味に悩むこの状態を、私は「こころの定年」と名付けてみた。

     実際に定年退職を迎えるのは65歳が一般的だ。だが、その前の中年期に差し掛かった段階で気持ちがついていかなくなり、ギャップが生じる。心が先に“退職”してしまうので、頑張れなくなったり、組織内で認められることを諦めたり、会社を辞めたくなったりしてしまうのだ。

     「こころの定年」状態に陥ると、会社に残るか、辞めるかの二者択一で考えがちになる。そして多くの人はリスクを回避する立場から、現状追認の姿勢になる。それとは逆に、迷った局面で、スパッと白黒をつけて次のステップに向かう人たちもいる。

     私は両者とも、うまいやり方ではないと思っている。まず二者択一に帰着しているのは、追い込まれている状態なのだ。こういう時は、いったん自分自身を深く掘り下げるタイミングだととらえた方が良い。悩んでいる状態のまま起業や独立をしても、うまくいかないことが多いからだ。

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    2017年03月23日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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