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    生活

    「鉄道廃線跡」は地域観光の目玉になるか

    鉄道ライター 杉山淳一
     運行廃止になった鉄道路線の跡を訪ね歩き、にぎやかだった往時に思いを ( ) せる――。そんな「廃線巡り」はかつて、一部の鉄道ファンや 廃墟 ( はいきょ ) ファンのひそかな楽しみに過ぎなかった。ところが、近年、鉄道廃線跡を観光資源として積極活用しようという動きが目立ち始めている。「ロストライン・ツーリズム」という言葉も生まれ、4月8日には廃線観光に取り組む団体などの全国組織「日本ロストライン協議会」の設立総会が開かれる。「昔を懐かしむ廃線跡」から「みんなで楽しむ廃線跡」へと発展できるのか。廃線観光の可能性などについて、鉄道ライターの杉山淳一氏が論じる。

    レールマウンテンバイクで誘客図る神岡鉄道

    • 旧神岡鉄道を走るレールマウンテンバイク
      旧神岡鉄道を走るレールマウンテンバイク

     岐阜県飛騨市神岡町が今、鉄道ファンの間で話題になっている。11年前に廃止されたローカル鉄道「神岡鉄道」のディーゼルカー「おくひだ1号」が復活し、4月8日に体験乗車会が開催される。

     神岡町は、昨年大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』で描かれたJR東海・飛騨古川駅から北東方向へ約15キロ・メートルの山あいにある。もう少し山あいに進むと、素粒子・ニュートリノの観測施設として知られる「スーパーカミオカンデ」がある。

     神岡鉄道はかつて、神岡町と富山市猪谷の間の19.9キロを結んでいた。主に鉱産資源を輸送していたが、旅客営業も行っていた。その廃線跡の一部を使って、現在、NPO法人「神岡・町づくりネットワーク」が、「レールマウンテンバイク」の体験サービスを運営している。

     レールマウンテンバイクは、自転車を2台並べて鉄製フレームで固定し、線路の上を走る。4輪だから倒れないし、ペダルを踏みながら山あいの風景を存分に楽しめる。愛称は「Gattan GO!!(ガッタンゴー!!)」。普通のサイクリングでは体験できない、車輪がレールの継ぎ目を通過する際の音と振動を表している。

     廃線になった翌年の2007年に実験的な取り組みを始めて、15年に年間利用者数が4万人を超えた。その5%は外国人観光客だ。こうした実績が評価され、日本観光振興協会が主催する16年度の「産業観光まちづくり大賞」で金賞を受賞した。

     先月、「神岡・町づくりネットワーク」は、車庫に眠っていた「おくひだ1号」を修復し、自力走行を成功させた。廃線跡でマウンテンバイク遊びをしているのかと思ったら、貴重な鉄道遺産もメンテナンスして再登場させたのだ。そこに、鉄道ファンは喜びを感じる。


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    2017年04月04日 14時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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