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    国際

    「オーバーブッキング」で強制降機、日本でも?

    東洋大学教授 島川崇
     米航空大手・ユナイテッド航空が、国内線の便で予約が定員を上回ったことを理由に男性乗客を強制的に降機させた問題が波紋を呼んでいる。男性乗客が警察官らによって無理やり引きずり降ろされる様子を映した動画がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に公開され、世界中から批判が殺到、同社の最高経営責任者(CEO)が謝罪に追い込まれた。定員を上回る予約を受け付ける「オーバーブッキング(過剰予約)」は、ユナイテッドに限らず、世界中の航空会社の多くが行っている。日本でも、今回のような事態は起こり得るのだろうか。東洋大学国際観光学部の島川崇教授(航空経営論)に聞いた。

    サービス業の自覚欠如・ユナイテッド航空

    • 定員超過を理由に、ユナイテッド航空の機内から引きずり出される男性(乗客のフェイスブックより)
      定員超過を理由に、ユナイテッド航空の機内から引きずり出される男性(乗客のフェイスブックより)

     今回の問題の経緯は、ユナイテッド航空のシカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きの便で4人分の定員超過が発生。ユナイテッド側は降機を申し出てくれた客に対して協力金やホテルの宿泊代を支払うことを提案したが、協力者が現れなかったため、降機してもらう客4人の指名に踏み切ったという。このうち、最後まで降機に応じなかった男性客が、警察官らによって強制的に引きずり降ろされた。

     米国の航空規定によれば、予約超過が発生し、搭乗便の変更などに自主的に応じてくれる客がいない場合、航空会社は自社の基準に沿って特定の客を指名し、搭乗を拒否できることになっている。とはいえ、今回のようなやり方は、道義的に決して許されるものではない。

     ユナイテッド航空の最大の誤りは、乗客が機内に搭乗した後に強制降機に踏み切り、しかも乗客にけがを負わせてしまったことだ。オーバーブッキングを行っている航空会社であれば、キャンセル数を読み間違えて、出発直前にもかかわらず予約超過になってしまうことはあり得る。ただ、その場合には、乗客が搭乗する前に状況をアナウンスし、自主的に搭乗をとりやめてくれる客を募るのが普通だ。

     しかも、今回のケースでは、乗客が降機することになったのは、ユナイテッドの乗務員が業務上の都合でルイビル行きの便に乗らなければならなくなったからだという。乗客を無理やり降ろすくらいなら、乗務員を別の便に搭乗させるべきだろう。私がかつて勤務していた日本航空(JAL)では、出発直前に予約超過になった場合、まず乗客の中にJALの社員がいないかどうかを確認し、社員がいれば搭乗を取りやめてもらうということを徹底していた。ユナイテッドは、「顧客第一」というサービス業としての自覚が欠如していると言わざるを得ない。


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    2017年04月21日 12時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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