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    国際

    「勉強中」のトランプ大統領が秘める意外な可能性

    上智大学教授 前嶋和弘
     米国のトランプ大統領は4月29日に就任100日を迎える。政治経験なし。型破りな言動の数々。これほど実力が未知数のまま大統領になった人物も珍しい。トランプ大統領の就任以降、米国内外では様々な出来事があったが、ここまでの政権運営から見えてきたものは何か。上智大学教授で現代米国政治が専門の前嶋和弘さんに聞いた。(聞き手 読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一)

    公約ほとんど実現せず、いまだ「勉強中」

    • 4月29日に就任100日を迎えるトランプ米大統領(ロイター)
      4月29日に就任100日を迎えるトランプ米大統領(ロイター)

     ――トランプ政権の滑り出しをどう見ますか。

     アウトサイダーで新しい風をもたらしたという点では評価できますが、やはり政治経験がないので、当初言っていたことがほとんどまともな政策になっていません。唯一挙げるなら、TPP(環太平洋経済連携協定)離脱ぐらい。これは議会に諮らなくても大統領令でできるからです。あとは、連邦最高裁判事に保守派のニール・ゴーサッチ氏を任命したことですが、これも上院で採決のルールを変えて承認にこぎつけました。いまだ「勉強中」だと言えます。

     ――有力紙ワシントン・ポストの最新の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は42%。低い支持率です。

     全体で見れば支持率は42%ですが、共和党支持者に限れば8割を超えています。これは別の調査ですが、選挙でトランプ氏に投票した人は9割ぐらいが今も支持しています。熱狂的な支持はまだ消えていません。一方、民主党支持者でトランプ氏を支持する人は1割前後。国民が分極化する中で大統領になったことがよくわかると思います。

     ――トランプ大統領は就任前、オバマケアの廃止、メキシコとの国境に壁を設置するなどの公約を盛り込んだ「100日プラン」を発表しましたが、ほとんど実現していません。何が原因でしょうか。

     もともと無茶(むちゃ)なことを打ち上げたというのが一つ。議会を説得できる見込みがあればいいけれど、そこの部分がうまく進んでいない。同時に政治的にアマチュアであり、共和党とのやり方もわかっていない。自分の陣営にノウハウを持つ人がおらず、アマチュア政権の弱さが露呈しています。

     ――トランプ大統領と共和党との関係はどうなっていくのでしょうか。

     トランプ大統領は国民皆保険制度であるオバマケアを廃止して新しいものつくろうとした際、共和党の中で強硬派といえる下院議員連盟「フリーダム・コーカス」(注:個人の自由を尊び、政府の関与を徹底して限定することを主張している)の人たちが反対して、法案が撤回に追い込まれました。今後どうなるかは読めないところで、その時、大統領はフリーダム・コーカスを思い切り(たた)いていましたが、そうなると民主党を切り崩すしかない。分極化の象徴のような大統領が、少なくとも議会の中では分極化と反対の方向に動くかもしれないのです。

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    2017年04月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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