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    自動車

    電気自動車だけじゃない、米テスラ社が抱く野望

    ジャーナリスト 瀧口範子
     米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラの株式時価総額が一時、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)を上回り、業界でトップに立った。日本ではまだ知名度が高いとは言えないが、米国ではEVへの期待の高まりなどに伴い、先端企業としての存在感を増している。テスラとは一体どんな企業なのか。米シリコンバレー在住のジャーナリスト・瀧口範子氏が解説する。

    富裕層のステータスシンボルに

    • テスラのスポーツ用多目的車「モデルX」
      テスラのスポーツ用多目的車「モデルX」

     さる4月10日、テスラの時価総額が一時的ながら約511億ドル(約5兆6200億円)まで上昇し、自動車メーカーの老舗であるGMやフォードを市場価値で抜いたことが話題になった。昨年暮れからテスラ株はじわじわと上昇し続けているが、これも、今年中に発売される予定の同社初の大衆向けEV「モデル3」に対する期待が高まっているからだ。

     テスラと言えば、過去にEVで出火事故を起こしたり、自動走行モード作動中に死亡事故を起こしたりしたことから、日本では「問題車のメーカー」という印象を持つ人が少なくないかもしれない。だが、シリコンバレーでは今や、ハイウェーを走っていれば、何台ものテスラ車を目にする。今年1~3月期のテスラ車の出荷は2万5000台を超え、過去最高を更新した。同社に対する期待の高まりも「さもありなん」という印象だ。

     米国では、テスラ車はベンツやポルシェに勝るとも劣らないステータスシンボルになっている。テスラ車のオーナーには、資産があるだけではなく、先進テクノロジーを理解し、環境問題への意識が高いという知的なイメージも付いて回る。

     10年ほど前のエクソン・モービルやゼネラル・エレクトリック(GE)などに代わり、今やアップル、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックといったIT企業が最大級の市場価値を持つ時代だ。ガソリンよりも電気、ハードウェアよりもソフトウェア、対面よりもデータを活用した顧客サービスを重んじるなど、自動車メーカーの定義を書き換えようとするテスラが注目を集めるのは、時代の要請なのかもしれない。

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    2017年05月06日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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