文字サイズ
    経済

    まだまだ課題山積…トランプ大統領の100日後

    国際通貨研究所理事長 渡辺博史
     トランプ政権が100日を過ぎ、政権運営は新たなステージに入った。トランプ氏は自身の成果を強調しているが、政府高官の人事承認が大きく遅れるなど、現実には厳しい綱渡りを強いられている。当面の課題について米国経済に詳しい国際通貨研究所の渡辺博史理事長に聞いた。(聞き手 メディア局編集部次長 中村宏之)

    バタバタしただけで実りなし…

    • トランプ大統領(ロイター)
      トランプ大統領(ロイター)

     ――トランプ大統領の100日をどう評価する?

     就任後のいわゆる「ハネムーン期間」である100日間は通常、泥沼のような選挙をしても最後は「ノーサイド」にして、しばらくはお手並み拝見という意味で、野党はあまり声を上げないし、メディアもシビアに評価しない。その間に批判を気にせずにやりたいことをやりなさい、という時間を指す。

     しかし、今回は選挙が終わってもノーサイドにならず、国民の半分近くが「大統領と認めない」と言っている状況の中で、大統領自ら100日という時間軸をセットして、その間にやることを全部やるという方針を打ち出した。

     本人は歴代の大統領の100日と比べて、はるかにいろんなことをやったと言っているが、実際にはほとんど何も進んでいない。バタバタしていたのは間違いないが、何かまとまった政策があったかを考えると、それを示すのは難しい。中東などからの入国を制限する大統領令も執行を停止され、今打ち出しているのは、ビザの審査基準を厳しくするということだが、これも実施は来年だとされ、そういう意味では即座に実行できたものはない。

     メキシコとの間に造るとする壁の話も、予算上の措置ができていないために、めざましく進んでいるわけではない。オバマ前大統領が推進した医療保険の国民皆保険システム「オバマ・ケア」の廃止はできず、代替法案も議会にいったん出したものの、ひっこめた。税制改革はとりあえず表明したが、具体的な内容や細かな内容にまでは及んでいない。そういう意味では、うまく結実したものはあまりないという印象だ。

    【あわせて読みたい】
    トランプ大統領就任100日~どうなるアメリカと世界
    大統領100日、失速トランプ相場は日本にどう影響
    懸案先送りの米中、日本がとるべき道とは
    トランプ大統領はなぜメディアと対立するのか
    トランプ氏の力でアメ車は日本で売れ始めるか

    2017年05月01日 18時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP