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    スポーツ

    成功体験をさせよ…斎藤巨人二軍監督の若手指導法

    読売新聞編集委員 三宅宏
     斎藤雅樹・巨人二軍監督(52)の評判がいい。一軍投手コーチから二軍監督に転任すると、就任1年目の2016年にイースタン・リーグで優勝して、ファーム日本選手権も制した。同年に行われた第1回U-23(23歳以下)ワールドカップ(W杯、メキシコ)では日本代表監督を任され、見事に、チームを初代世界一の座に導いた。現役時代は「ミスター完投」と呼ばれ、野球殿堂入りしている大投手も、チームの指揮を執るのは昨年が初めて。どういう若手指導法が成功につながっているのか。斎藤二軍監督に、たっぷり聞いた。

    経験だけじゃダメ。いい結果を出して初めて効果が出る

    • 昼間のジャイアンツ球場で若手の練習を見守る斎藤二軍監督(2017年5月5日、高梨義之撮影)
      昼間のジャイアンツ球場で若手の練習を見守る斎藤二軍監督(2017年5月5日、高梨義之撮影)
    • 成功体験の大切さを説く斎藤二軍監督(2017年5月5日、高梨義之撮影)
      成功体験の大切さを説く斎藤二軍監督(2017年5月5日、高梨義之撮影)

     日が高いジャイアンツ球場に、斎藤監督のよく通る声が響く。

     桑田、槙原とともに三本柱と呼ばれた現役時代は、他の2人に比べて、どちらかというと地味な存在だった。ただ、3人のうちただ1人殿堂入りしていることでも分かるように、実績では文句のつけようがない。これだけの大選手が二軍の面倒を見ていることに戸惑いも覚えるが、斎藤監督自身はやりがいを感じている。

     「去年一年やってみて、すごく楽しいなと思った。引退後はほとんど一軍コーチで、若手と接することがなかったので、今は楽しく、面白いという感じ。声を出しているのは、もともと声がでかいし、僕の中で『辛気くさくやっていても』というのがあるから。明るく元気よく。僕が率先して元気を出せば、コーチも黙っていられないだろうし」

     今季のイースタン・リーグでは5月7日現在で20勝13敗。楽天に次ぐ2位につけている。二軍の勝敗を論じるのはあまり意味がないが、たとえば、昨年に続いて、今年もチーム防御率が1位(2.66)でいるのは、投手陣が頑張っているという証拠だから意味がある。斎藤監督は「育成と成績」をどう捉えているのか。

     「試合の勝ち負けというのは気にしていない。でも、個々の選手がいい結果を出せば、おのずと成績は良くなる。チームが負けているということは、いい育成ができていないということ。(負け試合でも)経験を積ますという意味があるのだろうが、経験だけじゃダメだと思う。経験して、成功体験をして、はじめて本当の自信になると思っている。場を与えるだけじゃ成長しない。場を与えて、いい結果を出させて、初めて効果が出る。負けて覚えるより、成功体験が一番だと思う」

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    2017年05月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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