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    国際

    「左派」文在寅政権を正しく怖れよ

    新潟県立大学教授 浅羽祐樹
     韓国大統領選は、事前の予想通り、北朝鮮に融和的な左派の最大野党「共に民主党」の 文在寅 ( ムンジェイン ) 氏が当選し、10日に就任した。保守から左派へ、9年ぶりの政権交代である。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の問題、慰安婦合意を巡ってぎくしゃくする日韓関係など新政権が直面する課題は多い。日本は新政権とどう向き合っていくべきか。新潟県立大学教授の浅羽祐樹さんに寄稿してもらった。

    就任早々、試される文氏のリーダーシップ

    • 大統領当選を決め、支持者の前に登場した文在寅氏
      大統領当選を決め、支持者の前に登場した文在寅氏

     5月10日に発足した韓国の文在寅政権は前途多難である。国内外で課題が山積しているにもかかわらず、政治リーダーとしての素質が十分に検証されたわけではない。

     朴槿恵(パククネ)前大統領の弾劾・罷免により想定外の形で大統領選が前倒しになる中で、テレビ討論会が6回も行われたが、政策論争より個人攻撃が目立った。リーダーシップのあり方は、これまで以上に切実なはずである。

     昨年10月末に朴前大統領の友人による国政介入のスキャンダルが発覚して以来、半年間、街頭での退陣デモから国会における弾劾訴追へ、憲法裁判所による弾劾審判・罷免決定から大統領選へと、政治の局面は目まぐるしく変わった。

     そして、今また、統治へとモードを切り替える必要がある。今回、文氏は通常2か月以上ある政権引き継ぎの期間を持つことなく、直ちに大統領に就任し、組閣に取り組むことになった。

     大統領選の勝者と敗者、与党と野党、国民それぞれが新しいゲームに素早く順応しなければならない。当然、そのルールや役割に応じたプレーの仕方が求められる。要するに、文大統領には「統治のアート」があるかが、すぐに試されることになるのだ。

     支持層からは、単なる与野党間の政権交代だけでなく、約9年間続いた保守政権における不正腐敗の真相究明や政経癒着の根絶など、国政全般の急進的な変革を求める声が強い。他方、変革を断行する上で欠かせない政治的資源は限られている。このギャップにどう対応するのか。韓国政治の行方だけでなく、世界各国で揺らいでいる代議制民主主義や政党政治の可能性もかかっている。

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    2017年05月10日 15時57分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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