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    糖質、カロリー、プリン体…ゼロマジックの落とし穴

    管理栄養士 竹並恵里

    犯人は本当に糖質とプリン体?

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     冒頭で、ビールが悪者扱いされる原因について、糖質とプリン体を挙げました。一般的なビールで糖質の含まれる量は、100ミリ・リットルあたり3グラムほど。500ミリ・リットル缶を1本飲めば15グラムとなり、糖質由来のカロリーは60キロ・カロリーとなります。

     余分な糖質は、肥満や糖尿病などを招くため、ビールをたくさん飲む方なら、確かに糖質はゼロの方が安心かもしれません。

     プリン体は、体内で尿酸に変換されます。それが過剰に蓄積されると高尿酸血症を招き、深刻化すると大変な痛みを伴う痛風発作を発症します。ビールのプリン体含量は、100ミリ・リットル当たり5ミリ・グラム前後です。

     プリン体が豊富な他の食品(鶏レバー312ミリ・グラム、白子306ミリ・グラムなど、一般的に肉魚類は100ミリ・グラム以上と高め)に比べれば、その含有率は少ないことが分かります(『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』参照)。

     つまり、ビールは確かにプリン体を含んでいますが、「多く」含むわけではありません。

     さらに今は、体内の尿酸量に食品からのプリン体摂取はそれほど影響せず、よほど極端な状態でない限り、プリン体の制限はあまり意味がないという意見もあります。それよりも、体内で尿酸の産生を促進したり、排泄(はいせつ)を阻害したりする他の因子に注意する方が重要です。

     とはいえ、過剰な摂取は避けるべきで、『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、一日のプリン体摂取量の目安は400ミリ・グラム以内とされています。地ビールになるとプリン体含量が、100ミリ・リットル当たり15ミリ・グラム以上のものもあるので、気になる方はゼロタイプを選んだ方がやはり安心と言えるかもしれません。

    ゼロマジックの落とし穴:その1

     ここまでは、糖質もプリン体もゼロの方が健康に良さそうで、ゼロマジックはやはり本物のように思えます。落とし穴など本当にあるのでしょうか?

     その答えは、Aさんのコメントの最後の一文に隠されています。「ゼロ系タイプのビールなら、いつもよりも飲む量を増やしても大丈夫ですよね」。ここが、ゼロマジックの落とし穴です。

     糖質やプリン体がゼロであるという安心感から、飲酒量が増えてしまうケースが多発しています。

     そもそも、お酒が健康問題に発展する一番の原因は「アルコール」にあります。

     例えば尿酸対策において、アルコールは尿酸の産生促進と排泄阻害を同時に行う極めて有害な物質です。お酒の種類にかかわらず、アルコールの摂取量が増えるほど、高尿酸血症や痛風の発症リスクが高まることは多くの研究報告から明らかです。

     もともと量も少なく、かつ影響力も低いビールからのプリン体がゼロになっても、得られるメリットは期待するほど大きなものではありません。

     それよりも、摂取するアルコール量が増えてしまったとしたら、そちらのデメリットの方がはるかに気になるところです。

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    2017年06月14日 07時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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