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    国際

    北ミサイル発射、どうなる日米韓トライアングル

    慶応大学教授 西野純也
     北朝鮮は7月4日、弾道ミサイルを発射した。朝鮮中央テレビは「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功した」と報じ、米政府もミサイルはICBMだったとの認識を示した。ティラーソン米国務長官は発射を強く非難している。朝鮮半島の緊張が続く中、日本、米国、韓国の3国は足並みをそろえることができるのか。朝鮮半島情勢に詳しい慶応大学の西野純也教授に聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一)

    北朝鮮のミサイル技術、著しい進歩

    • 7月4日、朝鮮中央通信が報じた大陸間弾道ミサイル「火星14」とされる画像(ロイター)。ミサイルは移動式発射台に載せられている
      7月4日、朝鮮中央通信が報じた大陸間弾道ミサイル「火星14」とされる画像(ロイター)。ミサイルは移動式発射台に載せられている

     ――北朝鮮が7月4日に弾道ミサイルを発射しました。狙いは何だと思いますか。

     北朝鮮が今、一番の目標にしているのが「対米抑止力」の獲得です。米国が北朝鮮を攻撃しようと思っても、それを思いとどまらせるだけの軍事力をつける。そのための技術力向上に努めているわけです。基本的には技術を向上させることだけを考えて、ミサイル発射を繰り返しているのです。

     ただ、核実験まで行ってしまうと、極めて重大な出来事と国際社会に受け止められますので、これについては慎重にタイミングを見ているのだと思います。

     ――北朝鮮のミサイル技術は進歩しているのでしょうか。

     昨年から今年にかけて、技術の進歩は著しいと考えています。北朝鮮は米国本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を目標にしています。そのため、今回、北朝鮮が「ICBMの発射に成功した」と主張したことは、意味があると思います。

     北朝鮮のミサイル開発には、大きく言って三つポイントがあります。ひとつはエンジン、それから燃料、大気圏再突入技術、この三つが北朝鮮にとって課題であると言われてきたのですが、徐々にクリアしてきていると思います。

     そうすると、ICBMに搭載するために核兵器の小型化をさらに進め、それを実戦配備するところまで進むのか、あるいは今回の「ICBM発射成功」でひと段落して、対話に出てくるつもりなのか。これからどちらに進むのかがポイントです。

     ――韓国には5月に対北融和派の文在寅(ムンジェイン)政権が誕生しましたが、北朝鮮の挑発はやみません。それはなぜですか。

     北朝鮮がいつも言っているように、彼らの究極的な相手は米国です。米国との対話、あるいは関係改善に南北対話が資すると北朝鮮が考えれば、韓国を活用するでしょうし、必要ないと思えば韓国は外されることになるでしょう。

     現在、米国のトランプ政権は北朝鮮との対話の姿勢をまだ見せていません。トランプ政権との対話に韓国が何らかの役割を果たすと北が判断すれば、南北関係を動かしていくと思います。

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    2017年07月05日 16時06分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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