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    経済

    「駐車場シェア」が日本のビジネスを変える?

    みずほ総合研究所主任研究員 岡田豊

    駐車場シェアで新風を巻き起こすベンチャー企業

    • コインパーキングは日本中のあらゆるところで見かけるようになった
      コインパーキングは日本中のあらゆるところで見かけるようになった

     一方、冒頭で紹介した駐車場シェアサービスは、現状でも規制が少ないのが参入企業からみた大きな利点といえる。ネットでのクレジットカード決済のため、コインパーキングのような初期の設備投資がほとんど必要ない。このため、駐車場オーナーにとっても利用しやすい面がある。

     さらに、利用者側から見れば、駐車場シェアは1時間未満という短時間の「細切れ」でも利用でき、しかもスマホで予約できる。また、実は見逃せない大きな利点の一つは、利用者にとって安心感の高い企業が提供する駐車場が少なくないことである。平日の夜間や土・日曜、祝日に営業しない企業にとって、平日の昼間に、自社の駐車場を業務や社員向けに使いながら、平日の夜間や休日には駐車場を必要としている客に貸し出すことも簡単にできる。

     日本で駐車場業界をリードするのは、常駐の管理人を必要としないコインパーキング「タイムズ」を展開し、各地で狭く使いづらい土地の有効活用に成功したパーク24(東京)である。今でも貸駐車場といえばコインパーキングが主流で、全国の空き地という空き地が次々にコインパーキングになっているとの印象を持っている人もいるだろう。

     そんなコインパーキング各社に対し、シェアリングの活用で真っ向から挑んでいるのがakippa(アキッパ、東京)というベンチャー企業だ。同社は主にイベント会場や観光地、商業施設周辺で駐車場を斡旋するサービスで成長。登録駐車場数は駐車場業界全体でも3位につけている。

     この駐車場シェア。駐車場不足が目立つ大都市ではもちろん、地方でも有望とみられる。地方では鉄道などの公共交通機関が発達しておらず、自家用車の保有率が都市部よりはるかに高い。このため、そもそも駐車場へのニーズが高いのだ。さらに、中小企業や個人の自宅に駐車場を備えているケースが多いため、不在の時に活用することができる。逆に、月単位で提供してきた月極の駐車場は、地方では人口減少で空きが目立つようになってきたが、駐車場シェアなら「細切れ」で土地を少額で貸し出すことができるため、貸主にも借主にも使いやすい。

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    2017年07月11日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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