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    南シナ海、足場固める中国と危機感強める米国

    防衛省防衛研究所主任研究官 飯田将史
     南シナ海の領有権を巡る問題で、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が判決を示してから12日で1年になった。判決は中国が独自に主張する境界線「九段線」は「根拠がない」とするなど、中国の主張を退ける内容だった。この1年で南シナ海の現状はどう変わったか。中国の外交・安全保障政策に詳しい防衛省防衛研究所主任研究官の飯田将史さんに聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一)

    軍事基地化進むスプラトリー諸島

    • スプラトリー(南沙)諸島のファイアリー・クロス礁に建設された人工物を撮影した衛星写真(2017年6月16日撮影、CSIS AMTI提供、ロイター)
      スプラトリー(南沙)諸島のファイアリー・クロス礁に建設された人工物を撮影した衛星写真(2017年6月16日撮影、CSIS AMTI提供、ロイター)

    ――仲裁裁判所の判決から1年、中国の南シナ海進出に何か変化はありましたか。

     仲裁裁判所から判決が出たにもかかわらず、これまで通り進出を続け、軍事面も含めプレゼンスの強化を図っています。

    ――中国の「プレゼンス強化」というのは、具体的にはどのようなものですか。

     南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で中国が造った人工島がありますが、埋め立て作業は終わり、軍事基地化を着々と進めています。

     米国の政策研究機関である「戦略国際問題研究所」(CSIS)が定点観測をしていますが、それによると、中国が建設した飛行場にハンガー(格納庫)ができました。軍用機を飛ばすことを念頭に、これまであった管制施設に加え、格納庫を造ったわけです。

     また、防空のための兵器の配備も進めているようです。対空砲はすでにあったのですが、最近の報道によると、地対空ミサイルを設置するためと思われる施設もできています。ただし、実際に地対空ミサイルが配備されたかどうかはわかりません。情報収集用も含め、レーダー関係の施設の建設も進んでいます。

     最近、中国の地対空ミサイルも性能が上がり、射程も延びています。実際に配備されれば、中国側がそうした防空兵器を使って、敵対的な航空機の侵入を阻止できるようになるということです。

    ――そもそも、中国が南シナ海に進出する理由は何でしょうか。

     大きくいうと三つあると思います。ひとつは中国が主張している領有権、海洋権益を確保するためにプレゼンスを強化すること。おそらくこれは短期的な目標です。

     2番目はもう少し中期的かもしれませんが、南シナ海における海上交通路、シーレーンの安全を図ること。そのために、特に軍事面でプレゼンスの強化を図っています。

     最後に、長期的には米国をこの地域から追い出し、代わりに自分たちの軍事的な優位を確立すること。対米戦略の観点から海洋進出を強めているのです。

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    2017年07月13日 09時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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