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    教育

    フィンランドの教育改革・上「教師にも『ゆとり』」

    読売新聞論説委員 古沢由紀子
     北欧のフィンランドは、国際学力調査の好成績で知られる「教育先進国」だ。2016年秋から17年にかけて小中学校の新カリキュラムが導入され、子どもたちが主体的に学ぶ授業や教科横断的な学習、コンピューターのプログラミング教育などに力を入れる。2020年度以降に新しい学習指導要領を実施する日本と重なる面は少なくない。就学前の1年間から大学院までの教育は無償で、いじめ抑止などの対策も進む。夏休みを目前にした首都ヘルシンキと近郊の小中学校や大学での取材を、3回にわたり報告する。

    教師にも「ゆとり」

    • エスポー市・タピオラ中学校の職員室。教師たちがリラックスした雰囲気で談笑していた
      エスポー市・タピオラ中学校の職員室。教師たちがリラックスした雰囲気で談笑していた

     座り心地の良さそうなソファで教師たちが談笑し、テーブルにはシナモンロールとコーヒーポットが置かれている。ヘルシンキ近郊のエスポー市にある公立タピオラ中学校の職員室は、カフェかラウンジのような雰囲気だった。

     「授業は午前8時過ぎから午後2時半頃までで、放課後は1、2時間ほど授業計画を練ったり、他の先生と意見交換をしたりします。私は5時頃に帰宅するけれど、小さい子どもがいる人は、もっと早く帰るわよ」。英語を担当するベテランのティーナ・プリエミッタ教諭が教えてくれた。

     日本の中学生にあたる7~9年生約360人を、35人の教師が教える。各授業の生徒数は、15~20人程度。部活動はなく、生徒たちは地域のスポーツクラブなどに通う。家庭に問題を抱えていそうな生徒には、ソーシャルワーカーやセラピストが教師とともに関わる。夏休みはたっぷり2か月間だ。

     部活指導や雑務に追われ、外部専門家の配置も遅れている日本との差は大きい。フィンランドで教職に就くには大学院修士課程を終える必要があるが、教育学部の競争率は10倍を超えるという。その理由が分かったような気がした。

    2017年07月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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