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    科学

    このままでは日本の「サンゴ礁」が危ない!

    読売新聞調査研究本部主任研究員 佐藤良明
     今のままでは、サンゴの生息域が消えてしまう――。地球温暖化が原因となり、日本のサンゴ礁が、相次ぐ白化現象と死滅で深刻な危機に直面している。日本のサンゴ礁に迫る脅威とその背景、サンゴの再生に向けた国の取り組みや最新の科学研究などをめぐって、読売新聞調査研究本部の佐藤良明主任研究員が解説する。

    相次ぐ「白化現象」とサンゴの死滅

     まずはサンゴに関する基本的な情報をおさらいしよう。

     サンゴは植物のように見えるが、刺胞動物といい、クラゲやイソギンチャクの仲間だ。そして、サンゴやサンゴの遺骸から成る石灰質の岩礁がサンゴ礁と呼ばれる。サンゴ礁が地球の海域に占める割合は0.2%にすぎない。だが、そのサンゴ礁には、すべての海洋生物種の30%が生息すると言われるほど生物多様性に富んだ場所になっているのだ。

    • 白化したサンゴ(座安佑奈博士提供)
      白化したサンゴ(座安佑奈博士提供)

     サンゴの危機を語る際に、キーワードになるのが「白化現象」だ。白化とは、サンゴ礁の見た目が白っぽくなることから、こう呼ばれている。そもそも白化とはどんな現象なのだろう。

     日本サンゴ礁学会の「サンゴ礁Q&A」(電子版)によれば、サンゴには褐虫藻という微細藻類(植物プランクトン)が寄生しており、健全なサンゴは茶褐色をしている。サンゴは自分でも動物プランクトンをつかまえて食べているが、共生している褐虫藻が光合成で作った有機物も体内に取り込まれてサンゴの栄養になっている。

     ところが、この褐虫藻は、高い海水温などのストレスにさらされると、光合成を行う機能が失われる。サンゴにとっては、共生相手であるはずの褐虫藻が役に立たなくなることを意味する。するとサンゴは、無用の長物になった褐虫藻をいつまでも体内に抱えておくわけにはいかず、体外へ排出する――と考えられている。こうなると、サンゴの下部にある石灰質の骨格まで浮き出てしまい、サンゴ全体が白っぽく(=白化して)見えるというわけだ。

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    2017年07月27日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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