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    社会

    炎上と延焼を繰り返すネットCMの舞台裏

    PRプロデューサー 殿村美樹
     宮城県が夏の観光PRのために作成した動画が議論を呼んでいる。タレントの壇蜜さんが出演し、涼を求めて宮城を旅する内容で、「面白い」と評価する一方、繰り返し唇のアップを映すなど「性的な表現を連想させ不愉快」「品位に欠ける」などの批判も多い。自治体や企業の動画を巡っては、過去にも“炎上”を招いて公開中止に追い込まれたケースもある。なぜ火種を抱える動画が作られるのか。広告やPR動画の制作事情に詳しい殿村美樹氏が解説する。

    延焼まで仕組まれた炎上?

     最近、インターネット上のCM動画(ネットCM動画)の炎上騒動が相次いでいます。宮城県のPR動画「(りょう)宮城(ぐうじょう)の夏」は、「性的な表現を連想させる」などとして批判されました。

     炎上する動画については、一見して「これは、やりすぎ」と納得する内容から、「この程度の演出で?」と首をかしげるものまで様々です。

     内容にかかわらず、炎上したら、すぐに動画を引っ込めるという企業や自治体も少なくありません。

     にもかかわらず、こうした動画の公開中止は、企業の失態としてメディアに取り上げられます。すると、一度引っ込めたはずの動画が、ネット上で再び拡散され、“延焼”を続けるという皮肉な事態にもなっています。

    燃えちゃってもいい

     「燃えちゃっても、だれも見てくれないよりはいい」(都内のCM制作会社幹部)

     実際、動画の制作現場にはこういった声もあります。だから、炎上と延焼の一連のプロセスは、制作側によって仕組まれているのではないかとも指摘されます。もちろん理論上、このような仕掛けは可能です。

     「炎上マーケティング」や「炎上商法」という言葉があるように、ネットに炎上を仕掛けるプロセスは日々研究され、分析も行われています。

     こうした、炎上を狙ったPRは「取扱注意」の劇薬ですが、注目を集めたいばかりに、「ちょっとだけなら……」とか「1回くらいは……」と誘惑に負けそうになるのかもしれません。だから、この劇薬に飛びついてしまう企業や自治体が後を絶ちません。

     しかし、この劇薬は「風評被害」という重い副作用をもたらします。残念なことに、その現実に気づかず、わざわざ首長が出てきて、「PR動画の再生回数がアップした」なんて会見を行う自治体もあります。

     「地域ブランド戦略」の専門家としては、これはもう黙って見ていられません。ちょっぴり舞台裏を紹介しながら、炎上CMができあがるプロセスを紹介します。

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    2017年07月31日 07時31分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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