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    国際

    スマホ大国・中国、日本のはるか先を行くワケ

    キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 瀬口清之

    日本企業がチャンスをつかむには

    • 北京で新しいスマホの商品説明をするシャープのスタッフ。2017年8月8日撮影(AP)
      北京で新しいスマホの商品説明をするシャープのスタッフ。2017年8月8日撮影(AP)

     プライバシーの問題や個人情報の保護が重視されている日本では、個人ニーズの把握には困難が伴い、それを前提とした技術やサービスには時間がかかる。人工知能(AI)技術の研究開発に必要な大量の個人情報収集も難しい。このため、こうした分野では中国との技術格差が拡大し、中国の技術やサービスを輸入する分野が増加するはずだ。

     中国に続いて発展する途上国は、どこも中国の「馬跳び」型発展を可能にする技術やサービスを導入するはずである。その分野では、中国が開発する技術がグローバルスタンダードになっていくことが予想される。

     そうした変化を理解し、それに適合した製品・サービスを供給するには、日本企業は中国のスマホ社会の変化を現地で十分掌握する必要がある。日本国内では世界最先端の動きを日常的に体感し、深く理解することはできない。

     このように、スマホ社会は日本人が想像できない速さで進歩を遂げている。それと並行して、中国でも東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々でも、中間層のニーズは、高付加価値化、多品種少量化、安心・安全重視へと向かっている。これらは、いずれも日本企業の得意分野である。

     日本企業は中国がリードする「馬跳び」型発展がもたらす変化をきちんと把握しながら、それに適合する形で日本の得意な技術・サービスを提供する形でしか活路を見いだすことはできないだろう。1年どころか数か月訪れないだけで、中国の変化にはついていけなくなる。経営者自身が少なくとも年に数回は中国に足を運び、自らスマホ社会の急速な発展を体感することが不可欠である。

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    プロフィル
    瀬口 清之( せぐち・きよゆき
     キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1982年、東京大学経済学部卒、日本銀行入行。北京事務所長、国際局企画役などを歴任。2009年より現職。中国経済の分析、日米中関係をテーマに研究している。
    2017年08月16日 09時38分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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