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    経済

    日本の小売大手はアマゾンに対抗できるか?

    フリーライター 寺尾淳
     ネット通販大手アマゾンの急成長は、国内の二つの業界に大きな影響をもたらした。一つは宅配業界。取扱量が増え、過酷な勤務や再配達が社会問題となった。もう一つは小売業界だ。「買い物」のスタイルが変化し、買い物客の足は遠のいた。しかし、ここに来て、アマゾンに「やられっぱなし」だった国内勢も着々と反撃の態勢を整えつつある。どこまでアマゾンに対抗できるのか、フリーライターの寺尾淳氏が読み解く。

    売上高1兆円超、急成長するアマゾン

     コンサルティングも行う世界的な会計事務所の一つ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が世界29か国で実施した消費者の購買行動の年次調査「トータル・リテール2017」によると、日本は「アマゾンの影響で小売店で買い物をする頻度が低下している国」の第1位だった。「買い物の頻度が減った」という回答率は世界平均の28%に対し、日本は39%。アマゾンのネット通販は日本の小売大手にとって大きな脅威になっているのだ。

     2016年度のアマゾン・ジャパンの売上高は1兆1747億円、前年度比17・5%増という(日本経済新聞社調べ)。国内の小売業で同社の売上高を上回るのはイオン、セブン&アイ・ホールディングス(HD)、ユニクロなどを展開するファーストリテイリング、ヤマダ電機、三越伊勢丹HDの5社しかない。アマゾンは17年度にも三越伊勢丹HDを追い抜きそうな勢いだ。

    • プライムナウを配送する車
      プライムナウを配送する車

     アマゾンは「当日配送」のサービスを無料で受けられる「プライム会員」(年会費3900円、税込み)の獲得を全世界的なミッションとしており、利用者の拡大を図っている。会員向けの特典として、今年4月から生鮮食品の宅配事業「アマゾンフレッシュ」を東京23区内で始めた(千代田区などの6区、会費とは別に月額500円が必要)。鮮度が大切な野菜や肉、魚なので、配達は午前中に注文すれば当日配送も可能で、時間帯も指定できる。さらに、東京都杉並区や川崎市多摩区などの地域で、注文から1時間以内に商品が届く「プライムナウ」のサービスも行っている。

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    2017年08月27日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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