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    経済

    浅川財務官に聞く世界経済動向、焦点は中国新体制

    財務省 浅川雅嗣財務官
     夏休みシーズンも終わり、世界各国もバカンスを終えて本格的に再始動する。世界経済の現状と秋以降の注目点について、財務省の浅川雅嗣財務官に聞いた。(聞き手 メディア局編集部次長 中村宏之)

    注目は米国、中国、ユーロ圏

    ――世界経済の現状をどう見ますか?

    • 浅川雅嗣財務官
      浅川雅嗣財務官

     基本的には回復している、という基調判断でいいと思います。ただ、期待していたよりは回復のスピードはスローだという印象で、地政学的リスクも含め、下方リスクはいろいろなところに潜んでいます。

     IMFの世界経済見通しを見ると、7月に改訂された2017年の成長率見通しは、アメリカは4月時点での見通しの2・3%から2・1%に落ちました。これは、トランプ政権の財政措置が思ったほどの規模にならないという判断です。逆に上がったのは日本で、1・2%が1・3%に改善しました。ここにきて、輸出より内需が好調になっている点などを評価しています。ユーロ圏も決して悪くなく、1・7%を1・9%に引き上げているほか、中国の成長見通しも6・6%から6・7%に引き上げました。こうした中で、当面の注目はやはり、アメリカ、中国、そしてユーロ圏でしょう。

    ――アメリカはやや見通しが下がったとはいえ、経済は堅調な動きを続けている印象です。

     アメリカは雇用統計を見ても決して悪くありません。ほぼ完全雇用に近く、雇用情勢は良好です。時々、弱いマクロ統計も出ますが、総じて見れば、比較的堅調に推移していると思っていいでしょう。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに関しては、年内に次の利上げがあるかどうかは別にして、中期的に見れば金利は上がっていく方向であることは確かです。基本的に経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が良好なことを反映して政策金利を引き上げていくわけですから、我々もそれ自体は歓迎します。ただ、ファンダメンタルズが許容するより速いスピードで金利が上がるとリスクになります。また、過去、アメリカの金利が上がると途上国からの資本流出が起こることがあって、今回も心配はあります。今のところ新興国市場に大きな動揺は見られませんが、特に東アジアの新興国については注意深く見てゆきたいと思います。

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    2017年08月30日 13時35分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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