文字サイズ
    社会

    あなたは大丈夫? 非常時の食を考える

    読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一
     地震などの災害でライフラインが途絶した時、命をつなぐには食べ物を確保しなければならない。避難所に行けば救援物資も届くが、避難所の食事は栄養面で偏りがあり、避難生活が長期に及んだ場合は工夫が必要だ。また、自宅で避難生活を送る場合は物資がなかなか届かないことも覚悟しなければならない。防災では、今後ますます「自助」が重要になる。普段からどんな備えが必要なのか。防災の日に考えてみたい。

    身にしみた「寒さと空腹」

    • 東日本大震災の避難所で食事を作る被災者ら(2011年3月16日、宮城県南三陸町で)。防災の日に非常時の食について考えたい
      東日本大震災の避難所で食事を作る被災者ら(2011年3月16日、宮城県南三陸町で)。防災の日に非常時の食について考えたい

     「お(なか)がすくと、まともに考えることができませんでした。寒さと空腹は人の心を暗くします。炊き出しで温かい食事をもらいたいと思ったことはありましたが、それができない地域は、やはり自分で自分たちを守るしかないと思います」

     宮城県在住で、2011年の東日本大震災の後に「おいしいグルメ非常食」というサイトを始めた女性(37)は、自らの体験をこう振り返った。

     震災当時、彼女は自宅アパートにいた。内陸部に住んでいたので津波の被害は免れたものの、部屋の中は家具や食器が散乱し、とても住める状態ではなくなった。このため、1歳の子どもを連れて同県内の実家に避難した。電気は通っておらず、冷蔵庫にあった食べ物を賞味期限が迫ったものから食べていくしかなかった。

     家屋があまり倒壊していない地域だったため、救援の網の目から漏れてしまい、食べ物の確保には苦労した。こうした体験を通して、非常食を普段と同じような味付けにアレンジすることや、少ない器具で調理する方法を身につけることの大切さに目覚め、サイトを開設したのだという。

    【あわせて読みたい】
    大災害でトイレ使えず・・・そこで頼れる意外なもの
    意外と頼りにならない災害マニュアルの“落とし穴”
    あなたの会社は大丈夫? 熊本地震で分けた明暗
    都市直下地震、もし「帰宅難民」になってしまったら

    2017年09月01日 11時26分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP