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    経済

    鳥貴族「298円」値上げの衝撃!

    マーケティング戦略コンサルタント 青山烈士
     1989年以来、28年以上にわたって焼き鳥、ドリンクを含めた全商品を「280円均一」(税抜き)で提供してきた焼き鳥居酒屋チェーン・鳥貴族(本社・大阪市)が10月から「298円均一」(同)に値上げすると発表した。格安チェーンの代表格とされる鳥貴族の値上げは、業界内や消費者に大きな衝撃を与えた。値上げの背景などをマーケティング戦略コンサルタントの青山烈士氏が解説する。

    人件費や食材高騰でコスト増加

    • 10月に298円に値上げする鳥貴族(東京都千代田区で)
      10月に298円に値上げする鳥貴族(東京都千代田区で)

     鳥貴族の説明によると、値上げの理由は大きく二つあります。一つは料理の原材料や人件費などのコストが増加し、今後もこの傾向が続くと予想される点。もう一つは、税制改正など外部の要因が大きく、280円という現行価格のまま、品質を維持することは難しいという点です。

     原材料の高騰は、需要に対して供給が少ない場合に起こります。鳥貴族は「天候不順によりトマトやジャガイモといった野菜の価格が上昇したことが大きく、今後も天候や市況が読めない」(広報)としています。

     原材料価格の推移を見てみましょう。政府の生鮮食品の消費者物価指数(CPI)は、2015年の加重平均価格(毎月の出荷量などを加味した平均価格)を100とし、今年の月別に算出しています。ばれいしょ(ジャガイモ)は3~5月に120台と高値になっており、直近の7月の指数も105.6とまだ高い印象です。一方、トマトは春以降、80~90台と落ち着いています。

     一方、焼き鳥の原料で、看板メニューの一つ「むね貴族焼」などに使われる鶏むね肉の需要は相当伸びているようです。供給が追い付かず、価格も前年と比較して2割程度上昇していることから、鳥貴族の原価率(売り値280円に対する原価の割合)の悪化につながっていると考えられます。

     JAのサイトで公表されている日本経済新聞社の市況調査によると、去年は1キロ当たり200円台半ばで推移していたむね肉の価格が今年に入って高騰。3月以降は300円を下回らず、300円台中盤に差し掛かりそうな勢いです。もも肉もむね肉ほどではないものの、昨年と比べ高値をつけている月が大半です。

     さらに、今年6月の酒税法改正で、ビールや発泡酒、「第三のビール」などの極端な値下げが禁じられたこともあり、ウリの一つだったサントリー「金麦」大ジョッキの低価格販売などが難しくなったことも、値上げ圧力として働いたようです。

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    2017年09月08日 07時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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