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    生活

    身近な人を亡くしたら…【臨終から葬儀編】

    読売新聞メディア局編集部 河合良昭
     この夏、父が亡くなった。直後から、家族は葬儀の手配や年金、健康保険の手続きなどに追われ、永眠した父に寄り添う時間も持てなかった。誰もが直面する問題だとわかってはいたものの、当事者になって初めて知ること、戸惑うことの連続だった。身近な人が亡くなった後に「やらなければならないこと」は何か。私自身の体験を踏まえ、ベストセラー「身近な人が亡くなった後の手続のすべて」(自由国民社)の共著者である司法書士・児島明日美さんと、執筆協力者で司法書士の児島充さんにも協力をいただき、「臨終から葬儀編」と「相続編」の2回にわたって紹介する。

    「余命半年」で“終活”が本格化

     今年7月中旬、父が(がん)で亡くなった。73歳だった。父は大手電気メーカー勤務などを経て家業を継ぎ、東京都江戸川区で小さな町工場を営んでいた。母と2人暮らしで、近くに私の姉夫婦が住む。

     癌が見つかったのは2011年。膀胱(ぼうこう)癌と診断され、手術と再発を繰り返した後に前立腺に転移した。リンパ節にも転移が見られ、16年2月に膀胱と前立腺を全摘出した。しかし、同年11月に肝臓への転移が見つかり「余命半年」と宣告された。

     その後は抗がん剤治療を続けるために入院しながら、仕事の整理に入り、病床から家族に“終活”の指示を出し始めた。商品の在庫を整理したり、工場の機械や車を売ったりした。一方でエンディングノートも書き始めた。大学の法学部出身で、行政書士の資格を持つなど、自身が死後の手続きや相続の手続きなどに精通していたこともあり、ノートの重要性を理解していた。やがて抗がん剤が効かなくなり、4月からは自宅での緩和ケアになり、最期も自宅で迎えた。

     私は今年の初め頃に覚悟を決め、4月からはいつ「その時」が来てもいい心構えでいた。だが、実際に父の死と直面すると、動揺は想像以上だった。会社から実家に駆けつけた直後は、父のそばで死亡診断書を母と眺めながら、しばらくはボーっとしてしまった。このとき、父のエンディングノートがあることを思い出して開いてみた。放心していた私たちを導いてくれたのはこのノートで、本当に役に立った。

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    2017年09月10日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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