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    政治

    「早期解散」か「先送り」か…データで読む損得

    読売新聞調査研究本部主任研究員 舟槻格致
     永田町でじわり、解散風が吹き始めた。民進党の前原新執行部が人事をめぐってスタートからつまずいたことも、衆院「早期解散説」を後押ししている。安倍首相ははたして、年内や年明けの早期の解散総選挙に踏み切るのか、それとも来年後半まで持ち越すのか。過去の選挙データを分析すると、「解散が遅くなるほど、与党には不利」という結果が出た。長年、政治の現場を取材してきた読売新聞調査研究本部の舟槻格致主任研究員が、解散と政局の行方を占った。

    前回衆院選から間もなく3年

    • 前回衆院選の最終日に、最後の訴えをする安倍・自民党総裁(右)ら(左は麻生副総理)=2014年12月13日撮影
      前回衆院選の最終日に、最後の訴えをする安倍・自民党総裁(右)ら(左は麻生副総理)=2014年12月13日撮影

     2014年12月の前回衆院選から、間もなく3年となる。衆院議員の4年の任期満了は、迫りつつある。衆院選は戦後平均すると大体、2年半強に1回のペースで行われてきた。安倍内閣は、満了に近い18年後半の解散総選挙を模索しているともいわれるが、もしその通りになれば、これまでの解散総選挙の中では、かなり長めのインターバルを置いて行われることになる。

     国会議員の口から聞くたびに、「論理的におかしくないか」と感じてきた言葉の一つに、「首相を攻めて解散に追い込む」というものがある。野党の党首などが、首相の失策を攻め立てて、「さあ、衆議院を解散して総選挙で我々と決着をつけなさい」と迫る、あの常套句(じょうとうく)である。

     例えば、7月の東京都議会議員選挙での自民党の惨敗を受けて、民進党の蓮舫代表(当時)は「我々は(解散に)追い込みたいと思っています」と発言している。安全保障関連法の審議を巡り安倍内閣の支持率が下がった時にも、野党幹部から同様の声が聞かれた。

     解散を決めるのはあくまで内閣であって、野党にその権限はない。解散に反対する閣僚がいれば首相はいつでも交代させられるから、内閣といっても結局は、首相一人の決断である。首相の立場からすれば、守勢に立たされれば立たされるほど、「今解散すれば不利だ」と感じ、衆院選の時期はどんどん遅くなっていくのが、自然な流れではないだろうか。

     野党側が「解散に追い込む」ということは、何かよほどの仕掛けをしない限り不可能であり、逆に、衆院議員の4年の任期満了近くまで追いつめられれば追いつめられるほど、与党にとっては苦しい展開となっているはずだ。

     任期満了が間近に見えてくると、首相側からすれば解散の「不意打ち」効果は期待できなくなる。野党側にとっては、残りの期間、国会審議で「反対ばかりしている」などと批判されることを恐れずに、与党に対決姿勢を示しやすくなる。従って、野党が取りうる戦略は、「解散に追い込む」ではなく、むしろ「任期満了近くまで解散できない状態に、首相を追い込む」という道なのではないだろうか。

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    2017年09月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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