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    スポーツ

    4割が痛みを経験…野球少年を悩ます「野球肘」とは

    野球肘研究会代表 高原政利

    小学生は遠投を避けたほうがいい

     ――野球肘にならないための対策をうかがいます。球数制限は必要ですか。私(三宅)が18年前に、当時の日本整形外科スポーツ医学会理事長を取材した時には、「小学生は1日50球以内、中高生は100球以内。試合での連投は避ける」ことを薦めていました。制限が必要とすれば、現在、この目標値は変わっていますか。

    • 日本ハム・大谷の投球フォーム。高原代表は理想のフォームのひとつにあげた(2017年9月21日、沼田光太郎撮影)
      日本ハム・大谷の投球フォーム。高原代表は理想のフォームのひとつにあげた(2017年9月21日、沼田光太郎撮影)

     「必要です。投球制限に関しては膨大なデータがあって、いま示された目標は正しいという結果になっています」

     ――高原先生は「遠投否定派」と聞いています。

     「小学生の時はあまりやらないほうがいい。私たちのデータでも、遠投をやっている子は野球肘が多い、と出ています。遠投をしろ、と言われれば、子供たちは遠く投げようと思い切り上に向かって投げます。子供は競いますから。上に向かって投げることで、リリースポイントは早くなり、肘に負担がかかります。もし、治療して戻ってきたばかりの子供に、いきなり遠投をやれ、と言ったらどうなるでしょうか。またすぐだめになります。元気にやっている子供の中にも、故障に近づいている予備軍はたくさんいます。彼らに遠投をやれと言っても、同じことになります」

     ――理想のフォームはありますか?

     「最終的には、肘が伸びる方向に腕が振れれば一番いいのです。肩と肘が一直線。それがプロの投げ方です。骨盤が回転して、肩甲骨が回転して、それから腕を振り下ろします。だめなのは肩が出る前に、腕が出てしまうことです。プロの選手は、まっすぐ一直線で投げている。楽天の投手でも、ちょっと変な投げ方をすると痛くなるけど、ちゃんと投げれば問題ないという人はいっぱいいます。肘にある程度の障害があっても、フォームの良さでカバーして問題が起きていない人もいます」

     ――投げた後のケアは大事ですか?

     「クールダウンを15分以上するか15分以内かで差があるというデータがあります。15分以上はやったほうがいい。しっかりケアをするということは、自分の体にきちんと向き合っているか、いないかという意識の問題でもあります。クールダウンは、アイシングだけでなく、収縮した筋肉をほぐすストレッチも取り入れてください」

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    2017年09月28日 07時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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