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    ノーベル賞

    日本人女性がノーベル賞を取る「秘策」はあるか

    読売新聞調査研究本部主任研究員 稲沢裕子
     10月2日の生理学・医学賞をトップに、今年もノーベル賞各賞の受賞者が発表される。日本人による受賞は、昨年の生理学・医学賞に輝いた大隅良典・東京工業大学栄誉教授に続き、今年も化学賞や文学賞で期待がかかる。しかし、これまでにノーベル賞を受賞した25人の日本人は全員が男性で、女性は一人もいない。日本が女性のノーベル賞受賞者を輩出するには何が必要か。読売新聞調査研究本部の稲沢裕子主任研究員が探った。

    受賞者数の男女差が際立つ日本

    • マリー・キュリー夫人が67歳で亡くなったことを伝える1934年7月6日の読売新聞朝刊(亡くなったのは7月4日)
      マリー・キュリー夫人が67歳で亡くなったことを伝える1934年7月6日の読売新聞朝刊(亡くなったのは7月4日)

     ノーベル賞は1901年、ダイナマイトなどを発明したスウェーデンのアルフレッド・ノーベルの遺志によって物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各賞が創設され、68年から経済学賞が加わった。毎年10月の第1週から各賞が発表され、これまでに延べ885人と26団体に贈られた。

     このうち、女性は48人が計49回受賞している。女性初の受賞者は、夫妻で放射線の研究を続けたポーランド出身のマリー・キュリー夫人が、03年に夫ピエールらとともに物理学賞、11年に単独で化学賞を受賞した。複数回の受賞も男女を通じて初めてだ。

     賞の草創期から、女性の受賞者はノーベル賞を活気づけた。キュリー夫人の初受賞から2年後の05年には、「武器を捨てよ!」などの著作のあるオーストリアの小説家ベルタ・フォン・ズットナーに平和賞が贈られた。さらに09年、「ニルスの不思議な旅」で知られるスウェーデンの小説家セルマ・ラーゲルレーヴが文学賞を受賞した。

    • 名古屋市の南山学園講堂で講演するマザー・テレサ(1984年11月25日撮影)
      名古屋市の南山学園講堂で講演するマザー・テレサ(1984年11月25日撮影)

     分野別に見ると、女性の受賞が最も多いのは平和賞で、最年少の17歳で受賞したマララ・ユスフザイさん(2014年)、マザー・テレサ(1979年)など16人。次いで文学賞14人、生理学・医学賞12人、化学賞4人、物理学賞2人、経済学賞1人の順だ。女性の受賞は、1981~2000年が11人、01年以降が19人と、近年になってさらに増える傾向にある。

     ノーベルの遺志により、賞は国籍を考慮せず、代わりに出生地を発表している。現在の国名でみると、男女合わせた受賞者の延べ人数は、米国が259人、英国85人、ドイツ80人、フランス54人、スウェーデン29人、これにロシアや日本が続く。

     48人の女性受賞者のうち、米国の12人が最も多く、スウェーデンとポーランドが3人、フランス、ドイツ、イタリア、リベリアなどが2人で続く。日本は、「女性受賞者ゼロの国の中で、男性受賞者が多い」というアンバランスさが際立っている。

     こうしたノーベル賞受賞者の「男女差」について、当の女性受賞者は実際にどう考えているのだろうか。

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    2017年09月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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