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    国際

    北朝鮮問題、日本が果たすべき重要な役割とは

    キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 宮家邦彦
     衆議院選挙は与党の勝利に終わり、安倍首相の続投が決まった。選挙期間中、安倍首相は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威を強調したが、この問題への取り組みはこれからが正念場となる。日本が果たすべき役割について、キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦研究主幹に聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部次長 田口栄一)

    ミサイル発射は花火ではない

    • 衆院選の投開票が行なわれた10月22日深夜、自民党の党本部で報道各社のインタビューに臨む安倍首相。大勝が報じられる中、厳しい表情を崩さなかった
      衆院選の投開票が行なわれた10月22日深夜、自民党の党本部で報道各社のインタビューに臨む安倍首相。大勝が報じられる中、厳しい表情を崩さなかった

     ――宮家さんは総選挙の日、国外にいたそうですが、今回の選挙、外からはどう見えていましたか。

     欧州3か国を回り、総選挙当日はウクライナのキエフにいた。日本の選挙に対する関心は高くはなかったが、米CNNテレビや外電などは結果を速報していたので、重要性はみんな認識していたと思う。結局、安倍首相がまた勝ったので、ある意味、サプライズのない淡々とした報道ぶりではあった。

     ――北朝鮮情勢は、今回の選挙結果にどれだけ影響したと思いますか。

     政治的には、「国難」という言葉をキャンペーンにうまく使ったと思うが、実質的にはあまり関係がなかった。北朝鮮の問題は、全てのプレーヤーが常識的に判断すれば、相互に抑止ができているので、戦争が起きるはずはない。

     ただ、人間の歴史は、常に誤算の歴史でもあった。特に、北朝鮮側に誤算が一つ起きれば、即、戦争になるが、米軍は攻撃された場合の準備がすでにできている。その意味で、この選挙が北朝鮮問題に何か影響を与えるとか、北朝鮮問題が選挙に影響を与えるといった関係ではない。

     ――北朝鮮はこのところ、ミサイル発射や核実験などをしていません。これにはどんな理由があると見ていますか。

     私がいつも言っているのは、「ミサイルは花火ではない」ということだ。お祝いだから、何かの記念日だから、米韓が合同演習をしたから、という理由で撃つのではない。

     北朝鮮は1990年代から一貫して、米本土に届く核弾頭付きの大陸間弾道弾(ICBM)を中心とする核抑止力を持つために、粛々と計画を進めてきた。そこに、例えば新しいエンジンが手に入ったとか、何か技術上のブレイクスルーがあれば、実験だということになる。

     今、政治的な状況で撃っていないというよりは、やはり技術的な理由によるものか、もしくは彼らの計画を優先しているだけだと思う。

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    2017年10月26日 11時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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