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    環境

    トランプ氏には不都合?ゴア氏が語る“新たな真実”

    読売新聞編集委員 河野博子
     気候変動をテーマに据えたドキュメンタリー映画「不都合な真実2:放置された地球」が日本で17日から公開されるのを前に、“主役”の元米副大統領、アル・ゴア氏(69)が来日し、「われわれは気候変動との闘いに勝利するであろう」と明るい見通しを語った。ドイツ・ボンでは、6~17日の日程で、国際条約「パリ協定」の運用ルールを協議する会議が開かれている。会議について、ゴア氏は「地球温暖化の問題解決に向かって進むだろう」とも述べた。(読売新聞編集委員・河野博子)

    パリ協定、米離脱表明の影響は限定的

    • インタビューに答えるゴア元米副大統領(河野博子撮影)
      インタビューに答えるゴア元米副大統領(河野博子撮影)

     インタビューは2日、東京で行われ、ゴア氏は読売新聞などの質問に答えた。

     今年6月1日、トランプ米大統領は、パリ協定からの離脱を表明した。

     ゴア氏は、「離脱表明の演説を聞いて、大変心配した。他の国が、それを口実に、自分たちも抜けると言い出すのではないか、と危惧したのだ。しかし、それは起きなかった。その代わりに、他の国々は『パリ協定をきちんと実施する』と言い、カリフォルニア、ニューヨークをはじめ米国内の多くの州や市や町、企業も『私たちは協定を守る』としている」と振り返った。

     ゴア氏は、「今、米国がパリ協定で掲げた削減目標を達成できることは明白だ」と言い切る。

     米国が国連に提出した目標は、2025年までに05年比で温室効果ガスの排出を26~28%減らすとしている。日本の目標「2030年度までに13年度比で26%減」は、「米国並みの目標」として設定された経緯がある。実際に米国が目標を達成できるかどうかは、連邦政府、州政府、裁判所、議会の動きや施策の動向を見ないと判断できない。

     しかし、米国内のエネルギー・環境専門誌は民間の動向などを総合的に分析し、「トランプ政権が発電セクターへの規制を取りやめても、オバマ政権が描いた温室効果ガスの削減カーブは実現できる」などと報じている。

     さらに、ゴア氏は、「これは、あまり知られていない点だが、指摘しておきたい」と続けた。

     ゴア氏が指摘したのは、(1)手続き上、正式に米国がパリ協定から離脱できるのは、次の大統領選後(2)新しい大統領のもと、米国がパリ協定への参加を望むのなら、30日の通知期間をおけば、米国は再びパリ協定に参加できる――という点だった。

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    2017年11月13日 12時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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