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    働く

    「働き方改革」読売・帝国データ2万社調査を読む

    読売新聞調査研究本部主任研究員 高橋徹
     電通社員やNHK記者らの過労死が社会問題となり、長時間労働を是正し、労働のあり方を見直そうという「働き方改革」が注目されている。すでに多くの企業が改革を進めているが、その取り組み方は一様ではない。全国2万社を対象にした読売新聞社と帝国データバンクの共同調査によると、働き方改革は2割の企業が「手つかず」で、プレミアムフライデーは9割超の企業が「未対応」である現実が浮かび上がった。会社の規模や業種などによって<格差>がある現状と企業のホンネについて、読売新聞調査研究本部の高橋徹主任研究員が報告する。

    企業の7割、改革に「前向き」

    • 勤務先へ急ぐ人たち(東京駅前で)。各企業で働き方改革への取り組みが加速している
      勤務先へ急ぐ人たち(東京駅前で)。各企業で働き方改革への取り組みが加速している

     読売新聞社と帝国データバンクは、全国の2万3235社を対象に各企業の「働き方改革」や、月末の金曜日に早めの退社を促して消費喚起を図る「プレミアムフライデー」の取り組み状況について共同で調査を行った。

     調査は10月18~31日に、帝国データバンクがアンケートの協力を要請している全国の企業を対象に実施し、1万214社(44.0%)から回答を得た。内訳は大企業が2127社(20.8%)、中小企業は8087社(79.2%)だった。

     今回の調査で最大の眼目である「働き方改革への取り組み状況」は、回答が大きく3分割された。「働き方改革を行っている」と回答した企業は全体の39.9%を占め、「検討中」という回答の企業も29.6%で、約7割の企業が働き方改革に前向きな姿勢を示した。一方、「行っていない」とする企業は21.2%、「分からない」との回答も9.3%に達した。総括すると、「改革実行組」の企業が約4割、「検討中」の企業が約3割、「未着手・不明」が計約3割で、働き方改革に対する企業の熱意は<4対3対3>の割合でくっきり色分けされた格好だ。

     働き方改革への取り組みを、企業の規模別に見てみよう。

     「改革を行っている」と回答した中小企業は、全体平均とほぼ同じ水準の38.0%となったが、大企業ではこれを大きく上回る63.5%にのぼった。会社の規模によって取り組み状況に大きな差があった形だが、特筆すべきは、「改革を行っていない」と回答した大企業がわずか6.9%に過ぎなかった事実だ。大企業にとって、改革は大きな潮流になっていることが分かる。

     地域別の取り組みの差はどうだろう。

     調査結果は、首都圏と大阪圏が働き方改革の「先進地」であることを浮かび上がらせた。「改革を行っている」と回答した企業は、「南関東」(東京、神奈川、埼玉、千葉)が42.2%と最も多く、「近畿」が41.5%で続き、ともに4割を超える結果となった。これに続いたのが、「九州」(39.8%)と「東海」(39.5%)。長く日本経済を支えてきた伝統的な四大工業地帯の周辺地域が、働き方改革の分野でも他地域をリードしていると言える。他方、働き方改革に取り組んでいる企業の割合が少ない地域は、東日本大震災で復興の途上にある「東北」の34.9%だった。「北陸」(35.6%)、「北海道」(35.9%)も低い水準だった。

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    2017年12月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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