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    社会

    シャンシャン公開、上野動物園飼育員が流した汗と涙

    読売新聞社会部 岡本立
     上野動物園(東京都台東区)で生まれたジャイアントパンダの「シャンシャン」の一般公開が19日から、始まった。誕生から半年を経てのお披露目に、一目見たいと思う人も多いはず。 愛嬌 ( あいきょう ) たっぷりのシャンシャンが順調に成長した陰には、飼育員らの献身的な努力があった。

    パンダの赤ちゃんは最も手がかかる

     「無事ここまで来た。順調に成長し、お見せできるようになってとにかくうれしい。大変だったが、やりがいがあったと思う」。地元関係者や報道陣向けの事前公開が行われた18日、同園の福田豊園長(58)は感慨深げに語った。

     シャンシャンは6月12日、上野動物園では5年ぶりに誕生したパンダの赤ちゃんだ。生まれたばかりの頃は体長14・3センチ、体重147グラムと、人の手のひらに載るほどのサイズ。パンダの赤ちゃんは生後しばらくは自力で動けず、体温調節もできない。免疫力もなく、命を落とす危険が待ち構えている。母親のシンシンは常にシャンシャンを抱いて温め、母乳を与えるだけでなく、体をなめて清潔にし、排せつも促さなければならなかった。

     これまでに15頭のパンダを誕生させ、育てた「アドベンチャーワールド」(和歌山県白浜町)で、パンダの飼育を担当してきた熊川智子さん(45)は「パンダの赤ちゃんは動物の中でも、最も手がかかると思う」と話す。

    5年前は生後6日で急死

    • 保育器の中で眠るシャンシャン(6月17日)=東京動物園協会提供
      保育器の中で眠るシャンシャン(6月17日)=東京動物園協会提供

     上野動物園では、5年前にもパンダの赤ちゃんが生まれたが、生後6日で肺炎のため急死した。当時の土居利光園長(66)が記者会見で涙を流した姿が印象的だったが、この時の飼育責任者が現在の福田園長だった。

     日本で初めてパンダを飼育し、繁殖に成功した同園への地元やファンの期待は大きく、園のスタッフらは折に触れて「赤ちゃんはまだ?」と尋ねられた。今回、待望の赤ちゃんが誕生し、園も地元も喜びに沸いたが、福田園長は「ちゃんと育てなければと、5年前以上のプレッシャーを感じた」と打ち明ける。

    2017年12月19日 16時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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