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    スポーツ

    「設楽の弱い方」がマラソン日本新を出すまでの道

    読売新聞運動部 西口大地
     2月25日に行われた東京マラソンで、 設楽 ( したら ) 悠太(26)が2時間6分11秒をマークして、男子マラソンの日本記録を16年ぶりに塗り替えた。双子の兄・啓太や同学年のスター選手・大迫傑の背中を見続け、どちらかと言えば目立たない存在だったが、異色のスタイルを確立して躍進につなげた。2020年東京五輪に向けて、日本マラソン期待の星に成長するまでの軌跡をたどった。

    「ふくらはぎがズキズキしていた」

    • 東京マラソンで2時間6分11秒の日本新記録を出した設楽悠太(2018年2月25日、代表撮影)
      東京マラソンで2時間6分11秒の日本新記録を出した設楽悠太(2018年2月25日、代表撮影)

     「2時間9分0秒」

     大会2日前の招待選手記者会見で、設楽悠太はボードにそう目標タイムを書き込んだ。わずか1か月前には、高岡寿成(現カネボウ監督)が2002年に記録した従来の日本記録を6秒上回る「2時間6分10秒」を掲げていたから、これには驚いた。

     設楽本人は理由について、「記録ではなく、勝負にこだわる。9分以内で必ず走るということであって、6分台の可能性もあるということで、お楽しみに」と説明を加えたものの、真意を測りかねた報道陣は、故障や調整失敗の可能性も疑った。

     だが、それは杞憂(きゆう)だった。

     序盤は第2集団で自重したが、12キロ過ぎで先頭集団に合流すると、中間点は、初マラソンだった前年の大会より約48秒遅れで通過した。何も分からずハイペースで突っ込み、30キロ以降に失速した経験を生かした。

     31キロでペースを上げた海外勢をあえて追わず、36キロ過ぎの折り返しからギアチェンジ。日本人トップを走っていた井上大仁(ひろと)らを次々とかわし、残り2キロを切ったところで、ついに2位まで浮上した。

     最後は日本新を確信してガッツポーズでゴールイン。自己記録を一気に2分52秒も更新した。設楽は「後半は過去2回のマラソンと比べて、余裕度が全然違った」と述べる一方で、「10キロぐらいからふくらはぎがズキズキして、ゴール直後に痛すぎて倒れた」とも話し、痛みとの戦いもあったことを明かした。

    2018年03月10日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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