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    社会

    子どもが一瞬であなたの前から消えるワケ

    松蔭大准教授 深谷野亜
     買い物中などに、さっきまでそばにいたわが子の姿を見失ってしまう。そんな経験のある人は多いだろう。たいていはすぐに見つかるのだが、不幸にして、目を離したほんのわずかな時間に子どもが不慮の事故に巻き込まれてしまうケースは後を絶たない。子どもには大人とは違う特有の行動心理があり、見ている風景も大人とは異なるためだという。子どもの行動に詳しい松蔭大の深谷野亜准教授に、危険を回避し、事故を防ぐ方法について解説してもらった。

    ちょっと目を離したすきに…

     厚生労働省の「人口動態統計」(2014年)によれば、全年齢層の死因では「不慮の事故」は5位までに入っていません。しかし、子どもに限って見ると、「1~4歳」「5~9歳」で共に2位、「10~14歳」では3位と高くなっています。「事故」の内容は交通事故や溺死などです。「ちょっと目を離したすきに……」「危ないとは思っていたのに……」など、「まさか」と思うことが結果的に大きな事故につながってしまいます。

     昨年12月に、福井県越前市に住む3歳の男の子が行方不明になり、今年1月に遺体で発見されたケースがありました。報道によると、父親が男の子を車に乗せて遊びに行く途中、用事があったため、男の子を助手席に一人残して車を下り、職場に立ち寄りました。そして約10分後に戻ったところ、男の子がいなくなっていました。

     父親はスマートフォンを男の子に渡してアニメを見せていたので、「1人でも大丈夫だと思った」と取材に答えています。

     車の近くには幅約5メートルの川が流れ、雨で増水していました。小柄な3歳の男の子が車のドアを内側から開けて外に出て、冬の川に入るはずがないと考え、誘拐事件ではないかと考えた人もいたそうです。

    • 3歳の男の子が行方不明になった越前市の現場付近(2017年12月)
      3歳の男の子が行方不明になった越前市の現場付近(2017年12月)

     しかし、その川の約40キロ下流で男の子の遺体が見つかったのです。警察では状況から、男の子が誤って川に転落して流されたもので、事件性はないとしています。

     なぜ男の子はわずかな時間に危険な川に向かってしまったのでしょうか。子どもの行動心理の特徴から推測してみます。

    2018年03月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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