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    働く

    うちの会社の営業トップは74歳

    読売新聞メディア局編集部 中根靖明
     年々、高齢化が進む日本の社会。「人生100年時代」という言葉も登場し、60歳で定年を迎えた後も働き続ける人が増えてきた。そんな中、50代以降の中高年・シニア層を契約社員として積極的に採用し、業績を伸ばしている企業がある。名古屋市に本社を構えるその会社を訪ね、社長に話を聞いた。

    地域密着型の広告

    • 宣通の津田郁夫社長
      宣通の津田郁夫社長

     広告会社「宣通」(同市東区)は、従業員約50人、売上高で約6億円規模の中小企業だ。

     広告の取引先は、中部地方や関東地方の中小企業や団体など。地元紙などの広告枠を買い、それを「小分け」にする形で地元企業などの広告を募り、社名をする「名刺広告」や、自治体の施設に情報表示用のディスプレーなどを無料で設置し、地元企業の商品やサービスの広告を流して収入を得る「自治体広告」などを手がけている。津田郁夫社長(62)は大学卒業後、この業界一筋に生きてきた広告マンだ。

    • 宣通が手掛ける「名刺広告」。営業の主力はシニアだ。
      宣通が手掛ける「名刺広告」。営業の主力はシニアだ。

     「名刺広告は、例えば『○○市に体育館ができた』といった機会に、首長にコメントを寄せてもらうなどの企画を考案して付加価値を付け、元々の広告枠(の購入額)との差額で利益を得ます。中小企業などを対象とした特殊なビジネスモデルで、一般的な広告会社より高い利益率を目指しています」

     元日の新聞広告で、「謹賀新年」などの賀詞の下に、ずらりと企業名や経営者の名前が掲載されているのを見たことがある人も多いのではないか。このような「謹賀新年企画」で、同社は今年、前年の実績を大きく上回り、目標を大きく超える契約件数を達成したそうだ。会社全体の2016年度の売上高は前年度比で約3500万円伸びるなど、好調が続いている。

    営業の主力は「シニア」

     もちろん、黙って座っていて広告の依頼が集まるわけではない。様々な企業や小売店、病院などに「営業」の電話を入れてアピールして契約を取り付けるが、その主力となるのは、なんと50~70代の契約社員たちだ。55人いる従業員のうち、34人が中高年を中心とした契約社員だという。

     「1990年の創業当時は、社員が『飛び込み』営業で広告の枠を販売していました。でも、セキュリティーの強化やアポ(=アポイントメント、約束)なしだと会えないなどの理由で効率が悪くなったため、契約社員を雇用し、電話で営業するスタイルを取り入れました。最初の年(1995年)は60歳前後の女性を3人採用したのですが、成果が出始めたので、中高年の契約社員をどんどん増やしていきました」

    2018年03月15日 10時32分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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