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    働く

    介護と仕事の両立、危機を乗り切る「心の持ち方」

    一般社団法人「介護離職防止対策促進機構」代表理事 和氣美枝
     親の介護を自分の手ですることになったら……。働く人にとって、切実な問題である。仕事を続けられるか、不安だらけの人も多いはずだ。仕事を辞めずに済んだとしても、介護は思い通りにならないことも多く、ストレスもたまる。そうした危機をどう乗り切るか。介護離職ゼロの実現を掲げ、働く介護者の支援活動を続けている一般社団法人「介護離職防止対策促進機構」代表理事の和氣美枝さんに寄稿してもらった。

    仕事か介護か、二者択一と思う前に

    • 家族が介護の必要な状態になったらどうすればいいのか。働く人の多くが抱えている悩みだ(写真はイメージです)
      家族が介護の必要な状態になったらどうすればいいのか。働く人の多くが抱えている悩みだ(写真はイメージです)

     みなさんは「介護」という言葉に、どんなイメージを持っていますか。怖い、汚い、つらい、苦しい……など、ネガティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

     私たち介護者(家族や大事な人を無償で介護している人)にとって、「介護は生活」です。不安やつらいこと、苦しいことはあるけれど、それは生きていれば人間だれしもあることで、逆に楽しいことだって、うれしいことだって「介護のある生活」にはつきものです。

     少なくとも日々、目の前のことに忙殺され、他人の評価を気にしながら生きてきた私は、「介護」が生活に加わったことで、「つらい」とか「楽しい」とか、あらゆる感情を全身で感じられるようになったことに、喜びを感じています。人間の老いていく姿をリアルタイムで見ることを通して、1日1日を大切に生きるようになりました。

     何が言いたいかといえば、仕事を持ちながら介護に直面した人(というか、要介護者の周りにいる家族)は、決してかわいそうでも、気の毒でもないことをわかっていただきたいのです。働きながら介護に直面した人には、堂々としていてほしいし、もっと言えば、こういう経験をした人にしかできないこともあるのです。

     働く人が家族の介護に直面すると、「仕事」か「介護」の二者択一しかないように思われがちです。その結果が「介護離職者10万人」ではないでしょうか(数字は総務省統計局の『平成24年(2012年)就業構造基本調査』による。離職者の数は11年10月から12年9月までの1年間の集計)。

     もちろん、介護離職イコール悪いこと、ではありません。人生の選択肢を持ったうえで、介護離職を選ぶのであれば、それは否定されるべきものではないと考えています。そうではなく「辞めるしかなかった」「両立は無理」というのであれば、「そんなことはありません」と、言いたいのです。

    2018年03月22日 10時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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